2023年10月05日
住友商事株式会社

福島県浪江町で起業人材支援事業を通じた地域活性化を推進~「住箱カフェ浪江」の開業・運営を支援 ~

住友商事が、福島県浪江町(以下、「浪江町」)で取り組むまちづくり支援および起業人材支援事業の一環として支援する、「住箱カフェ浪江(Jyubako Cafe namie)(以下、「本カフェ」)」が明日開業します。当社は、浪江町およびスノーピークと連携し、町内事業者による事業運営を支援することで、浪江町の関係人口増加はもとより、事業成長を通じた雇用の創出や更なる起業家の誘致など、移住の促進に繋げていくことを目指します。

住友商事の浪江町における取り組み

当社と浪江町は、2021年1月に 「水素の利活用及びまちづくりに関する連携協定」 、同年9月に 「デザインの力による浪江町の復興まちづくりに関する連携協定」 を締結しました。これらの連携協定をもとに先進的なまちづくりに取り組むことで、東日本大震災で甚大な被害を受けた浪江町の復興の後押しと定住人口の増加を目指しており、現在、主に3つの事業を推進しています。

1.起業人材支援事業

浪江町の移住推進事業の一環として、浪江町の交流人口増加はもとより、事業成長を通じた雇用の創出や更なる起業家の成長など、地域の魅力を高めていくことを目指しています。具体的には、核となる地域や事業支援コミュニティの場となるコワーキングスペース「ナミエシンカ」の運営や、価値創造のための機能や仕組みである浪江町での起業や新たな事業の成長を支援する「新芽プログラム」やスタートアップの創出や成長を支援する「神馬プログラム」などを実施しています。
起業チャレンジ支援となる本カフェの開業・運営支援は、「新芽プログラム」の一環として新たに設定された事業です。

住友商事と浪江町が起業人材育成支援事業を通して目指すまちづくり

【住箱カフェ浪江の概要】

浪江町、スノーピークおよび当社の3者は、有する資源やノウハウを活かし、本カフェの運営を担う町内事業者の起業から事業運営を総合的に支援します。本カフェが、地域における価値共創の「場」となり、浪江町で収穫された豊かでおいしい地元食材や未利用の食資源などを活用したメニュー開発、地域内事業者とのコラボレーション、フードロスの削減やエネルギー利用に係る環境負荷の低減など、様々なパートナーとのオープンイノベーションを通じた価値創造に挑戦していきます。
なお、本カフェで提供されるコーヒーを含む一部メニューの提供に使用する電気の供給は、水素燃料電池自動車MIRAIが担います。「水素で淹れたコーヒー」として、その仕組み作りと運営は、当社が支援しています。

【店舗概要】

名称 住箱カフェ浪江(Jyubako Cafe namie)
所在地 〒979-1521 福島県双葉郡浪江町権現堂一丁田3−8 ナミエシンカ内
営業時間 11時~17時半
定休日 土日祝日(開業当初※今後変更予定)
URL https://www.namieshinka.jp/jyubako-cafe-namie
提供メニュー フードメニュー:
福島県産品(特に浪江町産)の食材を使ったスープカレー、ソフトクリーム など

ドリンクメニュー:
水素で淹れたコーヒー、地方の特産品を取り入れたソーダ など
住箱カフェ浪江の外観
フードメニュー例(スープカレー)

2. 次世代エネルギー事業

浪江町は2020年3月にゼロカーボンシティ宣言を行い、水素や再生可能エネルギーの地産地消を推進することでカーボンニュートラル化の実現を目指しています。当社は浪江町で、地域の皆様にとって身近な形で水素体験を提供する施設の導入をはじめとする、水素を活用した地域課題の解決に資する事業の検討を進めています。また、当社と日産自動車の合弁会社であるフォーアールエナジーの浪江事業所では、電気自動車のバッテリーを再利用するリユース事業を行っており、当社は近隣地でリユースバッテリーを活用した大型蓄電設備を建設中です。この大型蓄電設備「バッテリーステーション浪江」は、送電網に接続し、地域の再生可能エネルギーの普及と活用の拡大に貢献していきます。さらに、将来を担う人材育成も目的とした研究開発拠点「浪江バッテリーラボ」を新たに立上げ、地域に貢献していきます。

3. 浪江駅周辺整備事業

浪江町、隈研吾建設都市設計事務所、伊東順二事務所とともに、浪江駅周辺整備計画を推進しています。浪江町がもつ豊かな自然や歴史・文化に、デザインの力や、各者が有する「場や仕組み」を創るノウハウを掛け合わせ、それらを水素や再生可能エネルギーの利活用と調和させて相乗効果をもたらし、イノベーションを創出するまちづくりを目指すものです。地域コミュニティ活動の推進など、住民の皆さまの声も取り入れながら、浪江町が復興の理念として掲げる「夢と希望があふれ住んでいたいまち 住んでみたいまち」の実現を支援しています。事業全体の完成時期は、2026年度末を予定しています。

住友商事の浪江町との関わりを通じて目指す姿

当社は、これらの事業を通じ、浪江町の復興や定住人口の増加に貢献するとともに、先進的なまちづくりを通じたイノベーションの創出や、カーボンニュートラル社会の実現に取り組んでいきます。

参考情報 1

住友商事が浪江町で取り組む起業人材支援事業

当社は2019年より多様な分野のパートナーとのコラボレーションを推進するオープンイノベーションラボ「MIRAI LAB PALETTE」を運営するほか、アクセラレータープログラムの企画・運営や、新たな事業アイデアの実現を後押しする社内起業制度など、新たな価値創造への挑戦を続けています。これらの経験・ノウハウを活かし、様々なパートナーと協業しながら事業を推進しています。

■コワーキングスペース「ナミエシンカ」の運営

2022年10月にJR浪江駅前に開設したメンバー制のコワーキングスペースです。
隈研吾氏の設計監修による高いデザイン性と可変性を兼ね備えたスノーピーク社製のトレーラーハウス「住箱」を活用し、メンバーは無料で利用できるワークスペースを始め、起業人材支援事業における各種プログラムの会場や、地域コミュニティとの交流の場として活用されています。また、浪江駅周辺が整備される2026年度末頃には、浪江駅に直結した交流施設へ移転する予定です。

現在のナミエシンカ(2022年10月開設)
交流施設(2026年開業予定)

■事業支援プログラム「シンメプログラム」の推進

「シンメプログラム」は、浪江町での起業や新たな事業の成長を支援する「新芽プログラム」、スタートアップの創出や成長を支援する「神馬プログラム」の2つのプログラムで構成しています。
「新芽プログラム」は、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、「CCC」)と共同で、起業を志す人の事業プランや課題解決に向けた無料相談サービス「起業相談オンライン窓口」の開設、当社・CCC・パートナー企業のリソースを活用した「新規事業開発支援」、CCCの政令指定都市にある店舗を活用した「販路開拓支援」、起業の知識やノウハウ、ネットワークを得られる「起業イベント」の定期開催など、一気通貫したプログラムを運営しています。
「神馬プログラム」では、スタートアップ起業の基礎がオンラインでいつでも学べる 「スタートアップ起業家育成講座」 や、起業直前後のスタートアップ企業を対象とした3ヶ月集中支援の「インキュベーションプログラム」を立ち上げ、2023年8月に開始した第一期プログラムでは、専門的知見を有するメンターやアドバイザーの支援の下、防災関連やWeb3.0(ウェブスリー)領域での事業化を支援しています。

起業イベント(新芽プログラム)
販路開拓支援(新芽プログラム)
スタートアップ起業家育成講座(神馬プログラム)
インキュベーションプログラム(神馬プログラム)

参考情報 2

福島県浪江町の現在の様子

道の駅なみえ(提供 福島県浪江町)
十日市祭り(提供 福島県浪江町)
福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)(提供 福島県浪江町)


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