グローバル事例

サステナブルな木材資源をグローバル市場へ

ニュージーランド

自ら森林を経営して世界のカーボンニュートラル実現へ貢献

木材は計画的に伐採と育林を繰り返すことで、永久に再生が可能な循環資源。人間にとっては最も身近な資源の一つでもあります。住友商事の木材ビジネスは、日本に木材を輸入して高度経済成長を支えたことから始まりました。2000年代には森林経営にもビジネスの幅を広げ、よりサステナブル(持続可能)な森林資源の確保と活用に取り組んできました。

さらに、自ら経営する森林から生み出される木材製品の供給を、市場が成熟し、大きな成長が期待しにくい日本だけではなく、今後の拡大が見込まれる世界各国へと広げています。

森林にはCO2を吸収し固定する機能があり、適切な管理・伐採を通じて世界のカーボンニュートラルに貢献できます。当社が保有・管理する森林でも環境に配慮した伐採活動を実施しており、持続可能な森林経営を行っています。今後は、これまで培ってきた森林経営に関する知見・ノウハウを活用しながら、さらにグローバルな森林資源拡大に取り組んでいきます。

ニュージーランドの木材輸出港

ニュージーランドでは植林によるサステナブルな森林経営を実現

当社は2013年3月に、ニュージーランドの森林を獲得し、サミット・フォーレスト・ニュージーランドとして事業展開しています。ニュージーランド北島にある、約5万ヘクタールの森林で育つラジアタパインと呼ばれるマツの原木が、中国をはじめとしたアジア地域に向けて輸出されています。

森林の経営は、間引きや枝打ちといった育林の手間や、山火事や暴風被害などのリスクも抱えます。さらに伐採した木材を運び出すための、道路や港などのインフラ整備も必要となるにもかかわらず、当社があえて自ら森林経営に携わるのは、長期にわたって木材の安定供給を維持するためです。

生態系に配慮して経営するニュージーランドの森林では野生の馬が生息する

サミット・フォーレスト・ニュージーランドでは、木を“植えて、育てて、伐採する”、地球環境に配慮した木材資源の供給が、30年サイクルで行われています。

この森林では、これまで林業に従事してきた地元住民を雇用。森をよく知る彼らにより、伐採や植林、育林などの作業が効率よく分業され、1年間に約60万立方メートル(25メートルプール約900個分)の木材を出荷しています。野生の馬が木々の間を駆け抜ける、そんな自然の姿が保たれているのも特長です。

木材の単なる売買ではなく、その土地にしっかりと根づいた手法で森林経営を行う当社の姿勢は、現地でも高く評価されています。また、植林地における地形の把握や伐採面積の確認といった伐採オペレーションにドローンや衛星写真を活用するなど、先進技術も積極的に取り入れています。

ニュージーランド北島の林区保有面積は約5万ヘクタールと広大

2022年12月掲載

キーワード

  • アジア・大洋州
  • 米州
  • 欧州
  • 生活物資
  • 脱炭素
  • エネルギートランスフォーメーショングループ

関連する事例

Top