住友商事グループは、全てのステークホルダーの皆様に常に安心・信頼していただける企業集団であり続けるために、内部統制の強化に取り組んでいます。
住友商事グループは、5つの事業部門と国内・海外の地域組織、全世界の多数のグループ会社によって構成され、幅広い分野でビジネスを展開しています。これらのビジネスは、住友商事グループの一組織が遂行する以上、どの業界に属し、どの地域にあっても、ステークホルダーの皆様のご期待にお応えできる一定水準以上の「業務品質」を保持していることが必要と考えています。
このような観点から、当社は2005年以降、当社グループの内部統制のさらなる強化を目指し、当社グループを構成する全ての組織が共通に保持すべき、リスク管理、会計・財務管理、コンプライアンスなど、組織運営全般にわたる管理のポイントを網羅したチェックリストを用いた点検を行い、それらを踏まえた改善活動を継続して実施してきました。
それに加え、2010年4月より、過去の損失発生事例などの分析を通じて抽出された特定の内部統制行為(コントロール)を、全社で徹底的に強化していくべき重要項目と位置づけ、各組織において継続的にこれらのコントロールの実施状況を確認しています。
2010年8月、「経営の効率化の向上」及び「経営の健全性の確保」を確保するために、当社グループ全体の有効な内部統制の構築・運用・評価・改善を図る「内部統制委員会」を発足させ、その後も近年の社内外の法令・ルールなどの変化に対応した前述チェックリストの見直しや、過去の内部統制不備事例の紹介、各種内部統制関連の教材の充実を行うなど、全社的な内部統制の強化に向けた取り組みを推進しています。また、それぞれの事業部門や国内外の地域組織では、過年度に引き続きそれぞれのビジネス特性に応じた内部統制の強化活動に取り組んでいます。各組織は、それぞれの組織に配置された総括担当部署などの適切なサポートを受けて、日常的・継続的にこの取り組みを実施しており、住友商事グループの持続的な成長・発展に寄与しています。
住友商事グループでは、これまでに法制化された会社法や金融商品取引法における内部統制システムの整備・評価を、単なる法的要請への対応として捉えるのではなく、以前より世の中の動きに先駆けて取り組んできた業務品質の向上活動にも役立てられる絶好の機会と捉え、全社を挙げて積極的に取り組んできました。
2006年5月に施行された会社法では、「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制、その他株式会社の業務の適正を確保するために必要な体制」の整備が求められていますが、当社では、会社法の要求を満たす体制を整え、内部統制委員会によるその運用状況についてのモニタリングを実施しています。
また、2008年4月1日より適用の金融商品取引法に定める内部統制報告制度への対応においては、同法の要請に沿った内部統制の評価を通じ、業務プロセスの改善も実施しています。
以上の取り組みを通じて、住友商事グループは「業務品質の向上」を継続的に追求しています。
全社業務モニタリングのための独立した組織として、社長直属の内部監査部を置き、住友商事グループの全ての組織及び事業会社を監査対象としています。内部監査の結果については、全件を社長に直接報告するとともに、取締役会にも報告しています。内部監査部は、資産及びリスクの管理、コンプライアンス、業務運営などについて網羅的な点検を行い、内在するリスクや課題を洗い出し、各プロセスの有効性・妥当性を評価したうえで、監査先とともに解決の方策を探ると同時に自発的改善を促すことで、各組織体の価値向上に貢献しています。