セグメント別事業概況

主要分野

  • 船舶・航空宇宙・車輌
  • 自動車
  • 建設機械

組織名

  • 輸送機・建機総括部
  • 船舶・航空宇宙・車輌事業本部
  • 自動車事業第一本部
  • 自動車事業第二本部
  • 建設機械事業本部

輸送機・建機

事業部門長メッセージ

「時代の動き」を先取りし、「動」を制するグローバルなビジネス展開を目指します。日髙 直輝 輸送機・建機事業部門長

Q当部門を取り巻く中長期的な事業環境の見通しについて教えてください。
A海上輸送は緩やかな回復基調のもと、船舶需要も増えつつあり、民間航空輸送では、新興国の人口増と生活レベルの向上により航空機需要が高まると見込んでいます。自動車分野は、中長期的には新興国が成長を牽引し、成熟市場である先進国でも、より多様化するニーズを取り込み、新たな成長機会が見込まれます。建設機械は新興国でのインフラ整備の拡大による需要の増加と先進国でのレンタル需要の拡大傾向が続くものと見込まれます。
Q「目指す姿」の実現に向けた中長期的な取り組みを教えてください。
A船舶・航空宇宙・車輌分野では自社船や航空機リースなどの収益性と成長性の高い事業を拡充し、自動車分野では、サプライチェーンの中で製造、販売流通、リース・ファイナンスの大きな3つの柱のさらなる拡大及びグローバル展開を加速していきます。建設機械分野では、新興国・資源国での販売・サービス事業の拡大と先進国でのレンタル事業を深化させていきます。各分野での強みをさらに強固なものとし、全社をリードする部門に成長していきたいと考えています。

→ グローバルに増加する輸送需要を捉え、当社機能をさらに深化・拡充

QBBBO2014の1年目(2013年度)の総括と2年目(2014年度)における取り組みについて教えてください。

A[2013年度の総括]航空機リース事業の貢献や、インドネシアでの自動車金融事業や国内のオートリース事業、米国での建機レンタル事業も堅調に推移し、当期利益は前年度比32億円増益の488億円となりました。

ドイツのMTU Aero Engines社とともに、オランダで航空機エンジンリース事業を立ち上げ、今後のエアライン業界の幅広いニーズに対応するべく取り組んでいきます。

航空機エンジンリース事業での主要エンジンの一つ V2500
航空機エンジンリース事業での主要エンジンの一つ V2500

[2014年度における取り組み]船舶・航空宇宙・車輌分野では、エンジンリース事業を着実に立ち上げ、航空機リース事業をプラットフォームとして、部品サービスや整備なども含めたバリューチェーンの構築を目指していきます。自動車分野では、国内で培ったオートリース事業の海外展開を推進するとともに、新興国におけるファイナンス事業の多角化に取り組んでいきます。また、部品及び完成車製造事業において、メキシコなどでの生産体制を強化していきます。建設機械分野では、米国大手建機レンタル会社Sunstate Equipment社で事業エリアの拡大や資産の積増しにより、事業規模を拡大していきます。

→ 既存事業を中心としたビジネスの多角化とグローバル展開を推進

Q事業活動を通じたCSRについて、どのような取り組みを行っていますか。
ベトナム初の都市鉄道完成予想図
ベトナム初の都市鉄道完成予想図
A新興国における鉄道建設事業を通じて、さまざまな側面から地域社会の発展に貢献しています。例えば、ベトナム最大の都市ホーチミンでは、同国初となる都市鉄道の建設を進めており、道路渋滞の緩和による都市機能の改善や大気汚染の低減に貢献したいと考えています。また、インドネシアの首都ジャカルタ近郊では、ジャワ幹線鉄道の電化・複々線化工事を進めており、通勤鉄道の輸送力増強による地域住民の利便性向上に貢献したいと考えています。今後も、プロジェクト組成・管理力、技術評価力など当社ならではの強みと機能を発揮し、地域社会の持続可能な発展に資する事業活動を推進していきます。

業績ハイライト

(億円) 2012年度 2013年度 2014年度
予想
売上総利益 1,232 1,247 1,330
営業活動に係る利益 258 345 -
持分法による投資利益 273 277 -
当期利益(親会社の所有者に帰属) 456 488 460
資産合計 13,020 14,435 -

主要分野の概況

船舶・航空宇宙・車輌分野

目指す姿 目指す姿

船舶、航空機、鉄道及びリース関連ビジネスの安定的な収益基盤確立とバランスの取れた成長を目指します。

【事業環境】

海運市況は低迷していますが、新造船価格の値頃感から新規発注の需要は昨年以来継続しています。また、新興国の成長を背景に中長期的な民間航空機需要の増加が見込まれる一方、モーダルシフトの進展による世界的な鉄道需要の増大も見込まれます。

【強みと戦略】

船舶事業では、トレードを通じて培った広範な顧客基盤と、自社船、共有船事業、(株)大島造船所を通じた造船業にわたるバリューチェーンを強みとして、収益基盤を一層強化・拡充していきます。航空機リース事業では、SMBC Aviation Capital社を中核として、アジアをはじめとする新興国の航空需要を取り込み、さらなる事業の拡大を図るとともに、成長する民間航空機周辺事業を強化します。車輌事業では、都市鉄道建設で蓄積したノウハウをもとに、北米や東南アジアでの大型受注を目指します。

【足元の取り組み】

拡大する航空機リース事業
拡大する航空機リース事業

ドイツのMTU Aero Engines社とともに、航空機エンジンリース事業を開始し、部品サービスや整備などを含めたパッケージサービスに取り組んでいきます。

自動車分野

目指す姿 目指す姿

自動車バリューチェーンを構成する主要機能の深掘りとグローバル展開により、収益基盤を拡充します。

【事業環境】

新興国ではモータリゼーションの進展による持続的な需要拡大が期待され、成熟市場である先進国でもビジネスモデルの高度化・転換や事業の戦略的協働化により、新たな成長機会が見込まれます。

【強みと戦略】

金融事業では、国内でオートリース業界最大のグループとなった住友三井オートサービス(株)とともに海外展開を進めていきます。インドネシアにおける自動車・二輪ファイナンス事業では、強固な顧客基盤と事業インフラを活かし、周辺事業へも展開を図ります。

製造事業では、自動車部品製造会社(株)キリウを中心に、アジア、メキシコなどの新興国における事業を拡大しているほか完成車製造事業にも注力していきます。販売流通事業ではリビア、イラク、ミャンマーなどの新興国向けの販売を一層強化していきます。

【足元の取り組み】

メキシコにおけるマツダとの完成車製造事業
メキシコにおけるマツダとの完成車製造事業

メキシコにおいて、マツダ(株)との完成車製造事業で量産を開始したことに加え、キリウの設備拡充、広島アルミニウム工業(株)の部品事業への出資参画などを通じて、同国での製造事業を強化していきます。

建設機械分野

目指す姿 目指す姿

新興国、資源国での販売・サービス事業及び先進国でのレンタル事業の深化を目指します。

【事業環境】

新興国では、インフラ整備の拡大に伴う需要の増加、また、最大の建機レンタル市場である米国では、建設投資の回復などによる需要の拡大が見込まれます。

【強みと戦略】

カナダでの事業は、一般建機や鉱山機械の販売に加え、部品・サービス需要を取り込むことで、最大の収益の柱になっています。「所有」より「借りる」が主流になりつつある米国や日本では、レンタル事業が収益拡大に貢献しています。中国では代理店事業の基盤をさらに強化し、市場の本格回復に備えます。また、中東やアジア地域でも事業化を進め、新興国での収益基盤の拡大を図ります。モンゴルやロシアなどでは、顧客密着型の総合鉱山機械事業を展開していきます。

【足元の取り組み】

A.L.J Summit社の在庫ヤード兼ワークショップ
A.L.J Summit社の在庫ヤード兼ワークショップ

サウジアラビアにおいて、現地パートナーとともに建機の輸入販売・サービスを行うAbdul Latif Jameel Summit社を設立しました。当社建機ビジネスの原点である販売代理店事業について、他の中東諸国に加え、アフリカやアジアなど他地域への拡大を目指します。

プロジェクト紹介

市場拡大の続く米国における建機レンタル事業の展開

米国における当社の建機ビジネスは、1980年代の日系建機メーカーとの卸売販売会社立ち上げや日系建機製造販売会社への出資から始まり、1990年代には現地代理店事業の買収を経て、発展・拡大してきました。さらに、日本国内で培った建機レンタル事業の知見を活かすべく、2008年の米国大手建機レンタル会社Sunstate Equipment Co., LLCへの出資を通じて、世界最大の建機レンタル市場である米国市場へ本格進出しました。

同社はリーマンショック後厳しい経営を強いられましたが、2011年以降の市場回復フェーズでは、顧客需要に応じてレンタル機械の保有を拡充し、V字成長を果たしてきています。既に米国は世界最大のレンタル市場であるものの、日本や英国と比べてレンタル機械の使用比率は低く、さらなる市場拡大の余地が大きいことから、2012年末に同社の経営権を取得し、さらなる収益拡大を目指しています。

今後、既存分野でのシェアアップに加え、成長著しいオイル&ガス関連市場への進出など、顧客層やエリアの拡大を積極的に進める事で収益基盤の拡充を狙いながら、競合会社の買収も視野に入れ、よりスピーディーに成長戦略を実現できるよう、取り組んでいきます。

多様な機械が整然と並ぶ自社ヤード
多様な機械が整然と並ぶ自社ヤード

Sunstate Equipment Co., LLC
概要

設立: 1977年
所在地: 米国アリゾナ州
フェニックス
拠点 : 米国南西部9州、56拠点
売上高: 約300百万ドル
事業内容: 高所作業車・建機他のレンタル事業