当社は、コーポレートガバナンスとは、「経営の効率性の向上」と「経営の健全性の維持」及びこれを達成するための「経営の透明性の確保」にあるとの認識のもと、株主を含めた全てのステークホルダーの利益にかなう経営を実現するコーポレートガバナンスの構築に努めています。
住友商事コーポレートガバナンス原則(204KB/PDF)
当社は、監査役体制の一層の強化・充実によりコーポレートガバナンスの実効性を上げることが最も合理的であると考え、監査役設置会社制度を採用しています。当社は、監査役5名のうち3名が社外監査役で、そのうち2名が東京高等裁判所長官、検事総長の経歴を持つ法律家、1名が会計の専門家と、多角的な視点からの監査体制となっています。さらに、多様な視点から、取締役会の適切な意思決定を図るとともに、監督機能の一層の強化を図ることを目的に、2013年6月21日開催の第145期定時株主総会において社外取締役2名を新たに選任しています。独立性のある社外取締役及び社外監査役による経営の監督・監視機能の強化を図ることにより、コーポレートガバナンスの目的をより一層実現できると考えています。また当社は、住友の事業精神のもと、住友商事グループの「経営理念・行動指針」を制定し、法と規則の遵守など、住友商事グループとして尊重すべき価値観を共有すべく、役職員への徹底を図っています。さらに「経営の健全性の維持」の観点から、コンプライアンス委員会の設置及び「スピーク・アップ制度」の導入など、法と規則を遵守するための体制を整えています。また、経営者自身が高潔な倫理観を持って経営にあたることが大切であるとの観点から、取締役会長及び取締役社長の在任期間を原則としてそれぞれ最長6年とすることを「住友商事コーポレートガバナンス原則」において明記しています。
2003年に取締役の人数を24名から半減させ、2014年7月現在、取締役の人数は12名となっています。これにより、業務執行の監督と重要な経営事項の決定の機能を担う取締役会で、従来にも増して実質的で活発な議論と迅速な意思決定を行える体制となっています。
事業年度ごとの経営責任を明確にし、経営環境の変化に迅速に対応するため、2005年6月に取締役の任期を2年から1年に短縮しました。
相互牽制の観点から、原則として取締役会長及び取締役社長を置くこととし、これらの役位の兼務は行わないこととしています。また、取締役会長及び取締役社長の在任期間は原則として、それぞれ6年までと定めています。これにより、経営トップが交代しないことでガバナンス上の弊害が発生する可能性を排除しています。
当社の取締役及び執行役員の報酬・賞与の決定プロセスの透明性及び客観性を一層高めるため、取締役会の諮問機関として、半数以上が社外委員で構成される報酬委員会を設置しています。この報酬委員会は、取締役及び執行役員の報酬・賞与に関する検討を行い、その結果を取締役会に答申しています。
多様な視点から、取締役会の適切な意思決定を図るとともに、監督機能の一層の強化を図ることを目的に、2013年6月21日開催の第145期定時株主総会において社外取締役2名を選任しています。また、この社外取締役2名は、(株)東京証券取引所など当社が上場している金融商品取引所が定める独立性基準を満たしており、各取引所の定めに基づく独立役員として届け出ています。
社外取締役の選任理由及び略歴は次のとおりです。
検察官及び弁護士として長年培ってきた高度な専門知識と豊富な実務経験などを有しており、人格、識見のうえで当社の社外取締役として適任と考え、選任しています。
長年にわたり経済産業省において要職を歴任され、資源エネルギーや産業政策などの分野での広範な知識と経験を有しており、人格、識見のうえで当社の社外取締役として適任と考え、選任しています。
外部の視点からの監視体制の強化のため、2003年6月に社外監査役を1名増員しました。これにより、監査役5名のうち3名が社外監査役で、そのうち2名が東京高等裁判所長官や検事総長の経歴を持つ法律家、1名が会計の専門家と、多角的な視点からの監査体制となっています。また、社外監査役3名は、(株)東京証券取引所など当社が上場している金融商品取引所が定める独立性基準を満たしており、各取引所の定めに基づく独立役員として届け出ています。
監査役は、監査上不可欠な情報を十分に入手するため、取締役会をはじめとする重要な社内会議に必ず出席するほか、取締役会長・取締役社長と経営方針や監査上の重要課題について毎月意見を交換しています。さらに、監査役を補佐する監査役業務部を置き、監査業務が支障なく行われ、監査役の機能が最大限果たせるようにしています。
社外監査役の選任理由及び略歴は次のとおりです。
会計士としての長年の経験や財務・会計を含む幅広い知見を有し、人格、識見のうえで当社監査役として適任であり、多角的な視点からの監査を実施願うため選任しています。
裁判官及び弁護士としての長年の経験や幅広い知見を有し、人格、識見のうえで当社監査役として適任であり、多角的な視点からの監査を実施願うため選任しています。
検察官及び弁護士としての長年の経験や幅広い知見を有し、人格、識見のうえで、当社監査役として適任であり、多角的な視点から監査を実施願うため選任しています。
監査役は、効率的な監査を行うため、内部監査部と緊密な連携を保ち、内部監査の計画及び結果について適時に報告を受けています。
また、会計監査人との定期的な打ち合わせを通じて、会計監査人の監査活動の把握と情報交換を図るとともに、会計監査人の監査講評会への出席、在庫棚卸監査への立ち会いなどを行い、監査役の監査活動の効率化と質的向上を図っています。さらに、監査役は、内部統制委員会に出席し、また、その他内部統制を所管する部署に対して、内部統制システムの状況についての報告や監査への協力を求めています。
当社では、業務執行の責任と権限の明確化と取締役会の監督機能強化を目的として、執行役員制を導入しています。この制度のもと、取締役会で選任された執行役員43名(2014年7月末時点)のうち、執行の責任者である事業部門長5名を含む9名の執行役員が取締役を兼任することで、取締役会での意思決定と業務執行のギャップを防ぎ、効率的な経営を目指しています。
松永 和夫
社外取締役
経済産業政策局長、経済産業事務次官などを経て、2013年当社社外取締役に就任。
住友商事の社外取締役に就任して1年が経過しました。経済産業省に長年勤務し、総合商社のビジネスについてはよく理解しているつもりでいましたが、社外取締役に就任して取締役会での意思決定に参画し、認識を新たにした部分が数多くありました。具体的には、私が考えていた以上に投資型のビジネスモデルへの進化が進んでいるということ、取り扱っている事業領域の幅広さなどです。
経済産業省時代は主に「国富をいかに厚くするか、そのための政策をいかに充実させるか」といった観点からプランを立案し、こうしたプランの実行を民間企業などに委ねることに取り組んできました。こうした立場にあった私が、今度は民間企業である住友商事の取締役として、具体的なビジネスについて議論する立場となりました。
住友商事の社員には、国に対して、あるいは世界に対して恥じない行動をしてパフォーマンスを上げるべく「きちんとプロセスを踏み、立派な仕事をする」ことへのこだわりがあると思います。物事の決め方、行動の仕方については「どっしり構えている」という印象があり、投資リスクなどについてもしっかり定量化し、議論を尽くす点には好感が持てます。
一方で、リスクマネジメントと収益力の極大化とをうまくバランスさせていくことは大変難しいことです。取締役会では、このバランスをうまくコントロールする必要があります。リスクに対する議論はもちろんですが、ビジネスチャンスへのチャレンジをしっかり後押しすることも、社外取締役としての私の役割であると考えています。
住友商事には国家レベルのプランの実行を支援するような、スケールの大きなビジネスも数多く存在します。私自身の経験から、総合商社のビジネスモデルは日本や海外が注目すべきモデルであると思っています。住友商事の社員にはヒト・モノ・カネを使って誇りをもって伸び伸びと仕事をしてほしいと思います。
笠間 治雄
社外監査役
東京高等検察庁検事長、検事総長を経て、2013年当社社外監査役に就任。弁護士。
監査役には、取締役の違法行為や、それによって企業に損害が生じることがないように監視する責務があります。住友商事の社外監査役になり1年が経過しましたが、こうした点で懸念を感じるような事例は目にとまらなかったと認識しています。
住友商事はコーポレートガバナンスの効いた、しっかりした会社だと思います。住友グループには「住友の事業精神」があり、これがコーポレートガバナンスの軸として機能しています。
住友商事はさまざまな会社に投資しており、営業利益に加えて、投資先からの利益も大きなウエイトを占めています。取締役会においても投資案件に関し、リスクや中長期の利益回収についてのしっかりとした議論が活発に行われます。そこでは、コンプライアンス、浮利を追わない、信用・確実といった「住友の事業精神」の浸透が強く感じられます。
私は長年、検察庁に身を置いていましたが、さまざまな立場の人々との関わりをもつなかで私が最も強く感じたことは「信頼関係の大切さ」です。一度築いた信頼というものは簡単に揺らぐものではありません。さまざまな場面で、その恩恵を受けることも多くなります。総合商社においてもまた、お客様との信頼関係を構築することは極めて大切です。ただ儲かればいいという商売をやっていたのでは信頼関係を築くことは出来ません。監査役は取締役会での議決権がなく、あくまでもチェック機関であることから、経営の意思決定をする取締役の裁量権を侵害するようなことは、すべきでないと思います。ただ、裁量権は最大限に尊重しながらも、お客様との信頼関係に悖るような不公正なやり方についてはチェックを入れていきます。
住友商事は事業規模も大きく、社会的使命の極めて大きな会社です。お客様との信頼関係を保ちながら、国家や社会の利益になり、かつ自社の価値創造にもつながるビジネスを今後も展開してほしいと思います。
当社は、当社の経営方針と営業活動を全てのステークホルダーに正しく理解いただくため、法定の情報開示にとどまらず、任意の情報開示を積極的に行うとともに、開示内容の充実に努めています。
当社は、定時株主総会の3週間前に招集通知を発送するとともに英訳版も作成し、当社のWebサイトに掲載しています。2004年からはインターネットによる議決権行使、2005年からは携帯電話からのインターネットによる行使もできるようにしました。さらに、2007年からは(株)東京証券取引所などにより設立された(株)ICJが運営する機関投資家向け議決権電子行使プラットフォームを利用し、機関投資家のために議案内容の十分な検討時間を確保しています。
当社のWebサイト上には、決算情報・有価証券報告書・適時開示資料・会社説明会資料など、投資判断に資する資料を掲載しているほか、当社がグローバルに展開するプロジェクトの特集を組んで紹介するなどグループ全体のトピックスを幅広く発信しています。さらに、アニュアルレポートを発行し、積極的な情報開示を行っています。
当社はWebサイトでの情報開示の充実に努めているほか、株主・投資家の皆様とのダイレクト・コミュニケーションの場として、国内のアナリスト・機関投資家向けに年4回、定期的な決算説明会を行っています。海外投資家に対しては、米国・英国をはじめ、欧州・アジア方面を訪問し、継続的に個別ミーティングを実施しています。また、個人投資家向けには、2004年度以降、継続して会社説明会を開催しており、2013年度は4都市で5回開催し、合計で約1,100名の個人投資家が参加しました。
今後も、経営の「透明性」を高めつつ、株主・投資家の皆様との信頼関係の強化に努めていきます。
当社は、コーポレートガバナンス体制の強化・充実を行うとともに、「経営の効率性の向上」及び「経営の健全性の維持」の観点から、内部統制の実効性の維持・向上のため、内部監査、リスクマネジメント、コンプライアンスの一層の徹底・強化に努めています。
当社ホームページ
http://www.sumitomocorp.co.jp
IR(投資家情報)
http://www.sumitomocorp.co.jp/ir/
アニュアルレポート