グローバル事例

循環経済に貢献する建機レンタル事業をグローバルに展開

グローバル

建機レンタル会社の財産は、建設機械の豊富な品揃えであり、その管理能力で会社の強さが決まります。建設機械の管理体制を徹底し、信頼性と経済性の高い製品を提供することは、建設現場での生産性・安全性が向上し、インフラ強化、社会課題の解決、さらには、持続可能な循環経済の実現に寄与しています。事業の強化・拡大そのものが社会・環境への価値提供につながると考えています。

建設機械が整然と並ぶサンステートのヤード

トレードからリテールへ、そして日本でレンタル事業のノウハウを蓄積

建設現場では、規模や工程により多種多様な建設機械が必要となります。以前は、建設会社が所有するのが一般的で、住友商事の建設機械事業は、日本製の建設機械を海外ユーザーに販売するトレードビジネスからスタートしました。その後、海外の現地販売代理店に機械を販売するホールセールビジネスに着手。さらにリテールビジネスに踏み込むべく、現地販売代理店を買収し、直接その経営に携わりました。

一方、国内では1980年代に必要な時に必要な機械を借りる建機レンタルが普及し始め、当社は90年に地域に強固な地盤を持つ東名建機レンタルならびに九州建機レンタル(96年に両社が合併し太陽建機レンタルに)と提携して建機レンタルビジネスに参入、経営に参画し、建機レンタルの事業ノウハウを蓄積してきました。

太陽建機の保有するレンタル建機は総数40万点にもおよぶ

米国市場に進出、真のパートナーへ

世界を見渡せば、日本以外にも大きな建機レンタル市場が存在します。2009年には米国の大手建機レンタル会社・サンステートへの出資を通じて米国市場へ本格進出しました。

米国は世界最大の建機レンタル市場で、その規模は約5兆円ともいわれていますが、建機レンタル比率は日本などと比べてまだ低く、公共インフラ老朽化に伴う整備需要などを背景に、さらなる市場の拡大が見込まれます。サンステートでも、テキサスやカリフォルニアなど基盤のある南西部に加えて、南東部・北西部にも事業エリアを拡大するなど、持続的な成長を進めています。

出資以来、当社とサンステートは、戦略的パートナーとしての関係を強化しながら現在に至っています。

サンステートはさまざまな強みを持つ会社です。建設機械の徹底した管理体制に加え、ユーザーニーズを適切にくみ取ってきたことにより、顧客から信頼を勝ち得ていることはその一つです。創業者は社員にも丁寧に接することで知られる人物で、醸成されたチームワークを大切にするカルチャーも、当社と強い親和性がありました。サンステート経営陣の高度な経営手腕と、優れた企業文化を大切にしながら、当社が国内建機レンタル事業で培ったノウハウを融合・進化させることにより、今後も同社の長期的な成長にともに取り組みます。

当社とのパートナーシップ、チームワークにより、サービスクオリティの頂点を追求し、米国建機レンタル業界において、"なくてはならない"存在を目指していきます。

アリゾナ州フェニックスにあるサンステート本社
きめ細かい対応は顧客からの信頼も高い

ポテンシャルの高い東南アジア市場に進出

現場の安全性・生産性への意識の高まりと、「所有から利用へ」というトレンドの変化により、今後も建機レンタル需要増加が見込まれ、大きな成長を期待できる市場が存在しています。特に東南アジアでは、経済成長に伴う機械化・レンタル需要の中長期的拡大が期待されたため、複数国でビジネスを展開するエバーアジアを2020年に買収しました。

エバーアジアは、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイをはじめとする東南アジア6カ国で建設機械の販売代理店およびレンタル事業を展開しています。高品質かつ迅速なメンテナンス対応や、建設機械の保有からレンタルまで顧客のニーズに合わせたサービスを提供できることが強みです。また、各国において市場の成熟度によってビジネスモデルを変化させる地場密着型の事業展開を行っていることも特長の一つです。

東南アジアは今後数年間で建設投資が倍増し、建設機械は保有からレンタルへの移行が加速すると見込まれます。当社が培ったノウハウを提供することで、伸び行くアジアの地域社会発展に貢献しながら、エバーアジアの成長を目指していきます。

ユーザーのニーズは各地域で多様化しています。電動化製品の導入を含むレンタル商品の拡充や、IT・DXを活用したサービスの高度化により、各社で顧客満足度の高いサービスを提供することを目指しています。また今後も、さらに成長が見込める他の市場にも進出していく予定です。日・米で培ったオペレーションのノウハウを、東南アジアでも活用し、グローバル展開を加速するなど、住友商事ならではの総合力を生かしたダイナミックな取り組みを続けていきます。

2020年12月に買収したエバーアジアのヤード

2023年02月掲載

キーワード

  • アジア・大洋州
  • 米州
  • 機械
  • 輸送機・建機グループ

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