グローバル事例

エネルギー産業向け資機材ビジネスにおける
バリューチェーン拡大

グローバル

住友商事は、金属製資機材の供給によって世界のエネルギー産業を支えてきました。日本製鋼管の海外輸出からスタートした後、卸売り、サプライチェーンマネジメント、メンテナンスなどへ 事業範囲を拡大し、各国の「地域社会・経済の発展」に寄与しています。近年では、石油に比べてCO2の排出量が少ない天然ガス開発や温室効果ガス削減に寄与するCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)/CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)プロジェクト(※)向けに鋼管を販売するなど、「気候変動緩和」への取り組みも進めています。

※ CO2を地中や海底に隔離し閉じ込める、回収・貯留・利用技術


エネルギー産業を支える鋼管を中心とした金属製資機材

当社は、エネルギー産業向けの、鋼管を中心とした金属製資機材の事業に長い歴史と大きな実績を持っています。日本では石油・ガスの生産規模が小さく、油井管やラインパイプといった商品のマーケットは限定的ですが、世界的には膨大な需要があります。使用環境が過酷であるため、顧客からは品質面で厳しい要求がありますが、高い技術力を持ったメーカーの支援のもと、高品質の商品に当社ならではの付加価値、サービスを組み合わせて提供し、高い評価を得ています。

当社は、エネルギー産業へのトータルサービスプロバイダーとして時代と共に大きくそのビジネスの様相を変えてきました。

油井管をはじめとした採掘資材や操業技術の発展により、海底油田など、かつては困難だった採掘がより可能にphoto by / Harald Pettersen © Equinor ASA.
油井管をはじめとした採掘資材や操業技術の発展により、海底油田など、かつては困難だった採掘がより可能にphoto by / Harald Pettersen © Equinor ASA.

時代の流れを読んで大胆かつ的確に舵を切る

当社のエネルギー産業向け資機材ビジネスは当初、日本で製造された鋼管を海外に輸出するというトレードビジネスが中心でした。その中でも、油井管の対米輸出は、メインの一つでした。

ところが1970年代後半から80年代前半にかけて、米国との貿易摩擦が問題となり、油井管の輸出も次第に規制を受け始めました。この状況を打開するために、米国にプレミアパイプという油井管問屋を設立しました。同社では、設立以来大手石油会社(メジャー)を中心とした顧客と長期にわたる安定供給契約関係を結ぶことに尽力し、93年に最初の油井管サプライチェーンマネジメント(SCM)契約を締結しました。当時のマーケットの変化を的確に捉え、新しいビジネス機会に繋げた結果です。

米国に油井管販売の問屋を持ったのは、日本の商社では当社が先駆けです。これによって輸出業のみならず、米国内で調達した油井管を米国内で販売するという“川下化”が進んだのです。

ノルウェーの鋼管在庫ヤード。世界各地の拠点に鋼管のSCMに必要な資材ベースを展開

グローバル展開とバリューチェーンの高度化

当社では、米国の問屋において発展させてきたメジャーとの長期契約、油井管の在庫管理をメインとしたSCM契約を基礎として、鋼管SCMのビジネスモデルを確立。油井管のメンテナンスや保管などのサービスも提供できる体制を整えました。

この過程で蓄積されたノウハウを有効活用すべく、米国にSCM推進会社を立ち上げ、既存プロジェクトのオペレーション高度化だけではなくSCMプロジェクトの新規立ち上げなどを推進・支援しています。

当社は、このビジネスモデル(SCMサービス)を顧客ニーズに即して世界各国・地域に広げており、その油井管バリューチェーンのスケールやサービスのクオリティー、地域社会への貢献はメジャーを含む顧客から高く評価されています。

また、近年は米国・西テキサスの次世代流通センターに太陽光発電を導入するなど、より環境に優しいオペレーションを目指しています。

ブルネイではSCM管理会社だけでなく、同国唯一の鋼管継手加工会社も設立。現地雇用も創出している

次世代に向けて

2019年には石油・ガス開発時の掘削作業をリアルタイムで分析し、掘削装置を制御するソフトウェアを開発・販売するセカール、20年には石油・ガス開発手順をデジタル化・最適化するエグゼべナス、人工知能および機械学習モデルをベースとした高精度な地質・地層・貯留層の推定・分析を行うソフトウェアを提供するアース・サイエンス・アナリティクスに出資するなど石油・ガス開発上流分野へバリューチェ―ンを拡大していきました。

今後もエネルギー産業向け資機材ビジネスにおいて、顧客のニーズに沿って、このバリューチェーンをさらに拡充するとともに、デジタル化やAI技術を取り込み、事業の高度化、効率化や安全の向上を図っていきます。

また、地球環境との共生の観点から、石油と比べてCO2排出量が少なく成長ポテンシャルのある天然ガスや水素輸送用鋼管、CO2貯留用の鋼管等脱炭素に向けた取り組みも拡大し、エネルギー産業関連分野の発展に貢献していく考えです。


2023年02月掲載

キーワード

  • 金属事業
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