Go to Site.
close

グローバル事例

エネルギー産業向け資機材ビジネスにおけるバリューチェーン拡大

米国/フランス/ノルウェー/ブルネイ

エネルギー産業を支える鋼管を中心とした金属製資機材

私たちが当たり前のように利用しているガソリンは、もともと遠い海外の深い井戸で採掘された石油です。それが姿を変えてガソリンとして日本の消費者のもとへ届けられているのですから、考えてみればすごいことです。石油やガスといった日々の快適な生活に不可欠なインフラを支えている重要な存在が、鋼管を中心とした金属製資機材なのです。

当社のエネルギー産業向け金属製資機材ビジネスは大きく3つに分けられます。1つ目が、石油・ガスを地下から汲み上げるパイプ(油井管)を中心とした油井資機材。2つ目は、汲み上げた石油・ガスを遠隔地まで送るために使用されるパイプ(ラインパイプ)や、その材料としての鋼板および船舶用鋼板(厚板)。そして、3つ目が、送られてきた石油・ガスを貯蔵・処理・精製する装置や発電プラントなどに使われるパイプ(特殊管)や厚板のビジネスとなります。

当社は、エネルギー産業向けの、鋼管を中心とした金属製資機材の事業に長い歴史と大きな実績を持っています。日本では石油・ガスの生産規模が小さく、油井管やラインパイプといった商品のマーケットは限定的ですが、世界的には膨大な需要があります。使用環境が過酷であるため顧客からは厳しい要求がありますが、高い技術力を持ったメーカーの支援のもと、高品質の商品に当社ならではの付加価値、サービスをくみ合わせて提供し、高い評価を得ています。

当社は、エネルギー産業へのトータルサービスプロバイダーとして時代と共に大きくそのビジネスの様相を変えてきました。

油井管をはじめとした採掘資材や操業技術の発展により、海底油田など、かつては困難だった採掘がより可能に photo by / Harald Pettersen © Statoil.

時代の流れを読んで大胆かつ的確に舵を切る

当社のエネルギー産業向け資機材ビジネスは当初、日本で製造された鋼管を海外に輸出するというトレードビジネスが中心でした。その中でも、油井管の対米輸出は、メインの一つでした。

ところが1970年代後半から80年代前半にかけて、米国との貿易摩擦が問題となり、油井管の輸出も次第に規制を受け始めました。この状況を打開するために、米国にプレミアパイプという油井管問屋を設立しました。同社では、設立以来大手石油会社(メジャー)を中心とした顧客と長期にわたる安定供給契約関係を結ぶことに尽力し、93年に最初の油井管サプライチェーンマネジメント(SCM)契約を締結しました。当時のマーケットの変化を的確に捉え、新しいビジネス機会に繋げた結果です。

米国に油井管販売の問屋を持ったのは、日本の商社では当社が先駆けです。これによって輸出業のみならず、米国内で調達した油井管を米国内で販売するという“川下化”が進んだのです。

ノルウェーの鋼管在庫ヤード。世界各地の拠点に鋼管のSCMに必要な資材ベースを展開

川上から川下までの機能を一手に手掛ける

油井管問屋買収に続く第二のターニングポイントが“川上化”、つまり製造業への進出でした。2002年に米国のシームレス鋼管製造会社ノーススタースチールを買収。フランスのパートナーと共にV&Mスターとしてスタートさせたのです。

米国は、世界最大の油井管流通市場。当社はこの巨大マーケットで、製造、加工、販売まで手掛けるバリューチェーン拡大を実現していきました。その後02年から06年にかけて次々に大手問屋へ資本参加し、米国油井管流通市場の最大シェアを占めることになりました。

さらに、V&Mスターでは、2000年代中頃から始まったシェールガス・オイルの開発ブームによる需要増加に対応するため、10年に小径シームレス工場に出資し、同社の生産能力を倍増させました。

また、油井・ガス井では油井管以外にもさまざまな金属製資機材が使用されます。当社は、06年にそういった油井関連機器の加工メーカーであるハウコに資本参加し、10年には同社を子会社化しました。加えて同年、アジアを中心に各国に鋼管加工拠点を持つオーエムエスを買収し、バリューチェーンを一層拡大させるとともに、油井管より市場規模の大きい油井関連資機材・サービス分野の事業のさらなる強化に取り組んでいます。

13年にはエネルギー産業向け鋼管・鋼材のグローバルディストリビューターであるエジェングループを買収。14年秋以降原油価格の急落、低迷の影響により、エネルギー産業向けの資機材需要が低迷し、顧客のコスト削減ニーズが増大するという環境において、ラインパイプ・特殊管・厚板分野でのエジェングループと当社既存事業とのシナジー拡大により、バリューチェーン強化に取り組んでいます。

エジェン・マーレイの鋼管加工現場

グローバルな展開と高度化

当社では、米国の問屋において発展させてきたメジャーとの長期契約、油井管の在庫管理をメインとしたSCM契約を基礎として、鋼管SCMのビジネスモデルを確立。油井管のメンテナンスや保管などのサービスも提供できる体制を整えました。

この過程で蓄積されたノウハウを有効活用すべく、米国にSCM推進会社を立ち上げ、既存プロジェクトのオペレーション高度化だけではなくSCMプロジェクトの新規立ち上げなどを推進・支援しています。当社は、このビジネスモデル(SCMサービス)を顧客ニーズに即して世界各国・地域に広げており、その油井管バリューチェーンのスケールやサービスのクオリティーはメジャーを含む顧客から高く評価されています。

また、油井管供給の隣接分野である油井用資機材・サービス分野や、エジェングループのネットワークを加えたラインパイプ・特殊管・厚板の流通分野においても、バリューチェーンの拡大、高度化を推進しています。

今後もエネルギー産業向け資機材ビジネスにおいて、顧客のニーズに沿って、このバリューチェーンをさらに拡大させつつ、デジタル化やAI技術を取り込んで高度化を図っていきます。また、地球環境との共生の観点から、石油と比べてCO2排出量が少なく成長ポテンシャルのある天然ガス、風力(発電)のような再生可能エネルギー分野の資機材ビジネスも拡大していくことでさらにビジネス基盤を拡充し、エネルギー産業関連分野の発展に貢献していく考えです。

ブルネイではSCM管理会社だけでなく、同国唯一の鋼管継手加工会社も設立。現地雇用も創出している

2018年03月掲載

キーワード

  • 金属事業
  • アジア・大洋州
  • 欧州・アフリカ・中東・CIS
  • 米州
  • 金属
  • 小売・サービス

関連する事例

Top