グローバル事例

安全で快適な
仕事と暮らしの基盤をつくる不動産事業

日本

100年前から続く事業

住友商事の歴史は、1919年にさかのぼります。当社の前身であり、大阪の港湾開発を手掛ける不動産会社であった大阪北港が設立されたのがこの年です。以来、不動産事業は住友商事の独自性ある事業の一つであり続けてきました。

オフィスビル、住宅、商業施設、物流倉庫、不動産ファンド運営、そして海外事業と、不動産ビジネスのほぼ全ての分野を網羅している点、物件開発から運用までをグループで一貫して手掛けるノウハウを持っている点、さらには、資機材や小売りなど他の事業部との連携によってビジネスのシナジーを生み出すことができる点などが、住友商事の不動産事業の大きな特徴です。

また、物件開発後も管理運営者として長年携わる事例が多く、運営ノウハウを生かした開発を行っていることも特徴の一つです。

当社はこれまで、大規模な不動産開発をいくつも手掛けてきました。横浜市のみなとみらい駅に直結した大型複合施設のクイーンズスクエア横浜や、神奈川県藤沢市の辻堂駅周辺の広大な敷地を開発したテラスモール湘南などがその代表例です。

特に、テラスモール湘南は、飲食店、専門店、映画館など300近い店舗が軒を並べる大型ショッピングモールで、2011年の開業以来、藤沢市とその近隣の人々に新しい生活スタイルや娯楽を提供してきました。開発に当たっては、行政と共に駅前開発のあるべき形について時間をかけて協議し、階段状の丘をイメージした外観で湘南の開放的な雰囲気を生かした施設づくりを実現しました。

住宅事業では、分譲マンションのクラッシィハウスを全国で展開している他、兵庫県神戸市の阪神御影駅前開発のように、住宅と商業施設の複合開発も手掛けています。また住宅開発事業ではパートナー企業との協業も行っています。住友商事グループの強みとパートナーの強みを融合させて、便利で快適な暮らしの基盤をつくる。そんな取り組みが今も日本各地で進んでいます。

2001年竣工の晴海トリトンスクエアは大規模な複合型再開発事業で、竣工以来当社グループは施設全体の運営の中心を担う
「湘南の自然と人々との調和」を意識してデザインしたテラスモール湘南の外観。各フロアは回遊性の高いサーキット構造を採用
クラッシィハウスのブランドコンセプトは、「機能」すなわち住宅としてのスペックと、「美」すなわちデザイン性の融合

神田におけるさまざまな取り組み

当社の不動産開発や運営が「点」ではなく「面」として展開されている代表的な場所が、東京都千代田区神田です。1960年代に大阪から東京に進出してきた住友商事が最初に本拠地としたのがこの街でした。

住友商事が神田エリアにおいて管理運用を手掛けるオフィスビルは、計約20物件に上ります。2015年に竣工したテラススクエア、“チームを強くするオフィス”をコンセプトに生まれた中規模ビル「PREX」など、さまざまな規模のオフィスビルを手掛けています。一方、住宅分野では3棟のクラッシィハウスを分譲し、こちらも今後さらなる開発が計画されています。

さらに2020年2月に、神田錦町の大学や神田警察の跡地に建設された、21階建ての複合型オフィスビル「KANDA SQUARE」を竣工しました。5階から21階がオフィスフロアで、1階はさまざまな飲食店やコンビニエンスストア、地域からも要望の強い食品スーパーのサミットが入る商業施設を導入。2階はスタンディングで最大1,000人の収容が可能な多目的ホール「KANDA SQUARE HALL」となり、ライブやコンサートだけではなく、各種展示会や株主総会などに利用できるほか、災害時には帰宅困難者を受け入れることも可能。また、屋外には電源やWi-Fiといった設備の整った屋外ワークプレイスとなる空間や緑豊かな芝生広場を設け、オフィスワーカーや近隣住民の憩いの場を創出しています。当社の不動産事業のさまざまなノウハウが生かされたこの「KANDA SQUARE」は、神田の次なるランドマークとなることが期待されています。

神田エリアでは単なる都市開発や施設運営だけでなく、自社で管理運営する物件を活用してさまざまな取り組みを行っています。神田美土代ビルの屋上では省エネを目的とした屋上緑化の一環でサツマイモを栽培し、収穫を近隣の中学校の学生と一緒に行っています。最近ではテラススクエアの屋上でブドウの栽培を始め、2020年には東京都心産ワインが完成しました。

大規模複合施設のテラススクエア外観
21階建て複合型オフィスビルのKANDA SQUARE外観
1966年当時、大阪に本社があった住友商事が、東京初の拠点を置いたのが神田美土代町のビル(現・住友商事美土代ビル)

土地の歴史や住民の思いに敬意を払う

不動産が開発されるエリアは、土地ごとに歴史や文化が異なります。その場所が持つ個性やそこに暮らす人々の思いに敬意を払いながら、地域住民とコミュニケーションを取り続けるのが、当社の不動産事業の変わらない姿勢です。当社における最も地道で、最も地に足の着いたビジネスの一つ。それが不動産事業であると言ってもいいかもしれません。

神田美土代ビルで収穫したサツマイモを、芋焼酎にして近隣の関係者や当社取引先などに配布
日本三大祭りの一つ、神田祭でも地域住民と共に祭りを盛り上げる

2021年11月掲載

キーワード

  • 日本
  • 建設・不動産
  • 都市総合開発グループ

関連する事例

Top