グローバル事例

新時代の物流施設「SOSiLA」により
物流のさまざまな課題を解決する

日本

新たな物流の在り方を目指して

物流を巡る環境は近年、大きく変化しました。EC市場が急速に拡大し、配送数が急増する一方、人口減少と高齢化に伴い、物流現場の働き手やドライバーの不足が、深刻な問題となっています。

経済活動を支える重要な社会基盤である物流。その枢要な拠点としての物流施設を、単なる倉庫ではなく、企業の経営戦略を具現化し、社会に寄与する施設として進化させるべく、住友商事は2013年に物流施設「SOSiLA」(ソシラ)を創設しました。

「SOSiLA」事業は、物流施設を通じて、豊かな社会への貢献を目指している、ESGやSDGsに配慮した事業です。SOSiLAのネーミングには、本事業のコンセプトである「Sociability」(社会とのつながり)、「Sustainability」(環境との調和・持続的成長)、「Individuality」(人と労働環境への配慮)を実現し、新たなLogistics Aspect(物流の在り方)を創造したいという意味が込められています。

SOSiLAのロゴには、真ん中のSである住友商事(Sumitomo Corporation)が社会(SOciability)と人(individuality)をつなぐという意味が込められている

「立地×ハード×ソフト」が三位一体となった物流施設

SOSiLAの関西第一号物件が大阪・西淀川に、関東第一号物件が千葉・習志野に竣工したのは2016年。以来、東京や大阪の近郊に今後計画中のものも含めて、約20物件を手掛けています。

SOSiLAの立地戦略は「消費地近接」です。配送距離が短くなれば、発注から配達までの時間を⼤幅に削減でき、一台のトラックの稼働を増やすことが可能です。また、トラック台数とドライバーの数を抑えられるので、コスト削減につながります。従業員の募集がしやすくなるメリットもあります。

SOSiLAのハードは、長い不動産開発の歴史の中で培ってきた、ものづくりの文化と開発ノウハウを結集した「Hands-onの精神」がバックボーンにあります。作業効率を高める物件企画はもちろん、災害時の復旧・BCP対応として、非常用発電機などを採用し、災害時一時避難場所として地域に開放。従業員への快適な労働環境を提供すべく、ラウンジや無人コンビニの提供を行っています。また、SOSiLAでは、気候変動問題などの社会課題解決にも積極的に取り組んでいます。CASBEE(建築環境総合性能評価システム)の取得や、太陽光パネルの設置によるグリーン電源の利活用などを通じて、SDGsの達成、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

SOSiLAでは、デジタルの力で施設内の働く環境を進化させており 、お客さまに対しても、商品保管や移動の省力化/省人化に役立つ最新の機器やシステムを幅広く紹介して物流DXを推進しています。

消費地近接のSOSiLA大阪。傾斜路を利用して上層階まで大型トラックで上がっていき、直接荷物の積み下ろしができるようにすることで、効率的な運用を可能に
SOSiLA中央林間のラウンジ。海に放棄されたゴミやコーヒーかすをリサイクルした製品や、東日本大震災の復興支援につながる被災地メーカーの製品を数々採用

「総合商社×総合デベロッパー×金融」の独自性

住友商事が不動産事業を始めたのは約100年前、前身である大阪北港にさかのぼります。SOSiLAを展開する物流不動産事業は、オフィスビル、住宅、商業施設に続く、当社不動産事業の4つ目の柱に位置付けられます。長年培ってきた広範な不動産ビジネスのノウハウは、物流不動産事業にも存分に生かされています。

さらに、総合商社ならではの総合力も大きな特徴です。他ビジネスの営業網を駆使して、さまざまな企業に直接アプローチし、入居を募ることができる点。住友商事グループである住商グローバル・ロジスティクスはもちろん、サミットやショップチャンネルといったBtoCビジネスの経験によって、モノやサービスの流れを体系的に捉えることができる点などに、総合商社の力が発揮されています。

2019年12月に、当社がスポンサーとなり組成したSOSiLA物流リート投資法人が、SOSiLAシリーズを重点的な投資対象とするJ-REITとして、東京証券取引所不動産投資信託市場に上場しました。また、当社グループ内には三井住友ファイナンス&リースがあり、不動産目線での汎用性の観点から投資が難しい、物流機器のファイナンス機能を有しています。

今後も「総合商社×総合デベロッパー×金融」という当社ならではの独自性を生かして、事業を推進します。

当社が開発した業務可視化ツール「スマイルボードコネクト」。SOSiLA中央林間では一定期間の無償提供を予定
SOSiLAの開発は、総合商社・総合デベロッパー・金融事業といったグループネットワークを活用し、各分野の知見やノウハウを結集
さまざまなパートナーと共創する物流DX

物流不動産事業をより太い柱に

現在、東京、大阪などの大都市近郊を中心に新たなSOSiLAの開発が進んでいます。今後は、名古屋、仙台、福岡、札幌などの近郊における開発も視野に入れている他、施設運用の中で獲得したデータを活用したさらなる自動化や省力化の計画も着実に進めています。

人と社会をつなぐ物流施設を通じて、新たな物流の在り方を創造する、それが当社の物流不動産事業のミッションです。物流不動産事業を、より太い柱に成長させるために、これからも私たちは挑戦を続けていきます。

2022年8月に竣工したSOSiLA中央林間。延床面積3万坪超のSOSiLA最大級物件
2017年9月に竣工したSOSiLA横浜港北。消費地に近接する都市型物流施設として、新たな物流施設の在り方を示した

2023年03月掲載

キーワード

  • 日本
  • 建設・不動産
  • 都市総合開発グループ

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