- TOP
- Enriching+TOP
- 人とペットが共存する快適な生活を支えるペットケア事業
2023.10.1
Business
人とペットが共存する快適な生活を支えるペットケア事業

犬や猫を始めとするペットを人生の伴侶とする人が年々増えています。住友商事は2000年代に入ってから、日本の総合商社としては初めて、ペットケア製品に特化した事業を始めました。ペットの健康を守り、人と動物が共存する快適な生活を支え、人々の「生活水準の向上」に貢献すること。それがこの事業の大きな目標です。
この記事は2023年5月に公開された内容です
ペットと人の健康をつなげていく
ペットケア製品のグローバル市場は30兆円(注:ユーロモニターより)近くまで成長しており、コロナ禍やその後の世界的な生活様式の変化、景気の波を経た後も堅調に拡大を続けています。特に、近年米国や中国の消費市場で存在感を増している、ミレニアルやZ世代と言った若い世代でのペット飼育者の増加により、長期的に成長が期待できる市場です。
また、少子高齢化が進み、単身世帯が増えている日本でも、これまでにも増してペットが人々の生活の重要なパートナーとなっています。ペットと日常的に接することにより、精神的な安定が得られたり、散歩などの適度な運動が習慣化されたりするため、飼い主はより健康的な生活を送ることができるようになります。実際に、ペットと生活している高齢者の医療費は比較的抑制されているとのデータもあります。
「伴侶動物(コンパニオン・アニマル)」としてなくてはならない存在となっているペットの健康を守り、人と動物が共存する快適な生活を支えていくこと。いわば、ペットの健康を人の健康につなげていくこと。それが住友商事のペットケア事業のビジョンです。


トレードからメーカー事業経営への転換と現場力
住友商事のペットケア業は2004年、原材料の取引先であった米国ペットケア製品製造販売大手ハーツ・マウンテンの買収から本格的に始まります。メーカーの間を仲介するトレード事業から、最終商品を製造・販売するメーカー事業に乗り出すという、大きな転換でした。
ハーツの創業は1926年と古く、米国での高いブランド認知と小売企業への広い流通を誇ります。そのような末端商品を扱う地場のメーカーの経営は、当時の住友商事にとっては新たな試みでした。
2011年には日本のペットケア市場をリードするユニ・チャームに、ハーツ事業のパートナーとして資本参画頂き、ユニ・チャームの商品開発力を米国で活かしながら、商社人財である住友商事派遣員を営業、マーケティングやサプライチェーンマネジメントといった、現場の最前線に配置しました。こうすることで「自ら現場に足を運び、自ら経営を学ぶ」ことを実勢してきたのです。ハンズオンで、粘り強くヒット商品を生み出す「現場力」を発揮することで、ハーツは米国ペット市場に於いて複数のトップブランドを育て上げ、今も成長を続けています。
最先端の市場での事業ノウハウを生かして販売ネットワークを広げる
ペットケアに関連する製品を販売するには、各国の許認可の取得や輸出の法規制対応に加え、優良な製造パートナーの確保が必要となります。加えて、各国の市場の流通事情や消費者のニーズに合わせて販売戦略を構築しなくてはなりません。世界の多くの国々にグローバルネットワークをもつ住友商事には、各国の市場で競争力を持つ数多くの企業とパートナーシップを持つという大きな強みがあります。この強みを生かして、世界中に製品販売のネットワークを広げることが当社の長期的な目標です。
その試みの一つが、2018年のペットケア製品専門EC事業者ペットゴーとの資本提携です。日本国内に数十万人の顧客基盤を持つ同社に対し、住友商事が動物用医薬品などを供給しています。EC事業の大きなメリットは、ペットオーナーの購買動向などをデータとして蓄積できる点にあります。ペットオーナーのリアルなニーズや課題をデータから探り、販売戦略に生かすことを目指し、同社との取り組みを拡大しています。
また、住商アグロインターナショナルでは、ハーツブランドの日本展開も行っています。デンタルトイやデンタルガムなどの商品を取り揃え、インスタグラムを活用したプロモーションなども行い、一人でも多くの方にハーツの商品を手に取ってもらうべく、日々活動しています。



今後、世界の先進国において少子高齢化が進行することにより、人生の伴侶としてのペットの存在感がいっそう重みを増すと考えられます。また、新興国においてもペット需要はどんどん増加していくでしょう。ペットの健康を守り、人と動物が共存する快適で豊かな暮らしを実現するために、住友商事はこれからも、グローバルなペットケア事業を推進していきます。