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2024.4.17
Culture
「This is Africa」に粘り強く寄り添う。若手駐在員の原動力とは
世界で活躍する住友商事(以下、住商)グループ社員の日常、そして総合商社の仕事を、「ある日のランチ」と共に紹介する連載企画「商社パーソン、今日何食べた?」。第1回となる今回は、2022年4月よりガーナに駐在し、現地スタッフと手を取り合いながら同国の発電事業を支える電力インフラ第四部の大﨑夏子に、仕事のやりがいや駐在先ならではの経験、ガーナでの暮らしについて話を聞きました。
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海外エネルギーソリューションSBU
海外エネルギーソリューション第三ユニット大﨑夏子
2018年に入社以降、電力インフラ第四部に所属し、主に中東・アフリカ地域のアセットマネジメントおよび新規事業開発を担当。「アフリカの案件に携わりたい」という就職活動当時からの念願がかない、22年4月よりガーナのポーン複合火力発電所を運営する発電事業会社に海外トレイニー(※)として出向中(24年3月時点)。
※海外トレイニー: 海外店舗・事業会社での経験を通じ、グローバルフィールドで新たな価値を生み出し、活躍できる人材を育成する制度
Q1.今日のランチについて教えてください。
<大﨑夏子の今日のランチ>
レッドレッド
ガーナ人に愛されている定番料理の一つ「レッドレッド」をメインに、ご飯、鶏肉、エビがワンプレートになっているお気に入りのランチです。「レッドレッド」は、トマトベースの豆のシチューとバナナに似た果物であるプランテンがセットになっていて、料理名は調理に使うパーム油の赤い色に由来しています。ガーナのランチはボリュームがあり、出向当初は食べ切ることができず、よく自宅に持ち帰っていましたが、夕食を軽めに済ませるか、もしくは食べないスタイルに変えてから、完食できるようになりました。ガーナでは、干した魚の粉末がいろいろな料理に使われていて、日本人にもなじみやすい味だと思います。
Q2:現在どのような業務を担当していますか?
発電事業会社の財務担当として、ガーナの電力公社への請求書発行業務、株主や金融機関へのレポーティング業務などを担当しています。普段は首都アクラの中心街にある事務所に勤務していますが、発電所の見学希望者がいる場合には、首都から車で1時間ほどの発電所に出勤します。ガーナにおける住商の実績や役割を知っていただくため、これまで幅広い分野からのお客さまを発電所に案内してきました。
Q3:職場の様子について教えてください。
在宅勤務と週2、3回出社のハイブリッド勤務です。新型コロナの影響が続き、赴任してから社員全員が集まる機会はなかったのですが、最近では財務チームが週に1度は対面で集まるようになり、他のスタッフと交流する機会も増えてきました。これまで、何人もの日本人駐在員が働いていたからか、ガーナ人スタッフからは「また明日」「お疲れさまです」といった日本語が聞こえてくることもあり、とてもアットホームな職場です。所属するチームのメンバーは、住商から派遣されているCFO(最高財務責任者)、ガーナ人スタッフ4人と私の計6人。政府対応など重要な職務を担当していますが、チーム内は常にジョークが飛び交い、和気あいあいとした雰囲気ですね。
ガーナに来てから約2年、「This is Africa」や「This is Ghana」というフレーズをよく耳にします。他の地域にはないダイナミクスやエネルギーが感じられる場面で使われているほか、「アフリカやガーナでは自分にとっての常識や当たり前が必ずしも通じるわけではない」といったニュアンスも込められているようです。この意識を常に持ち、日々の業務の中では、私の日本での経験や常識を押し付けるのではなく、ガーナの文化やルールを尊重しながらコミュニケーションすることを心がけています。
Q4:現在の担当業務において、苦労した点ややりがいを感じた瞬間は?
四半期ごとに開催される取締役会の時期には、プレゼン資料作成のため、財務チーム一丸となってタイトなスケジュールで準備を進めています。着任当初のチームは、スケジュール通りに必要な資料が用意できなかったり、提出期限を過ぎてしまったりすることもありましたが、最近では、メールや口頭でスケジュールを説明し合い、資料の準備状況を小まめに確認することで、少しずつメンバーのタイムラインへの意識が高まってきました。期限通りに準備を進められるようになり、チームの成長を感じられてうれしかったですね。
また、おのおのの物事の進め方やスピード感に違いがあり、思うように進まず大変なこともありますが、現場ならではの臨場感と苦労にも勝るやりがいを日々感じています。ポーン複合火力発電所は国全体の発電能力の10%近くを担っており、その電力が首都アクラで使われていることを考えると、自分の仕事が社会にもたらすインパクトや重要性を実感しますね。「私たちが作る電力を必要としている人々がすぐ身近にいる」ということが、仕事に励む大きな原動力となっています。
Q5:プライベートの時間はどのように過ごしていますか?
ガーナの日本人駐在員は週末にゴルフかテニスをして過ごす人が多く、私も週に1度のゴルフとボクシングをしています。ガーナに来てから外を歩くことが少なくなってしまったので、ゴルフやボクシングを通じて体を動かすことが良いリフレッシュになっていますね。また、ガーナ国内の旅行や周辺国・欧州を中心に新たに10カ国を訪問するなど、ガーナだからこそできる経験をたくさんするように心がけています。
Q6:あなたにとってのEnriching lives and the worldとは?
私が担当している案件は、ガーナの財政危機の影響を大きく受け、困難な局面をいくつも乗り越えてきました。諦めずに粘り強く業務に寄り添い続けてこられたのは、住商のコーポレートメッセージ「Enriching lives and the world」にあるように、「人々の生活・世界をより豊かにしたい」という思いが根底にあるからなのだと思います。たとえ仕事が思うように進まないようなときでも、現場で貴重な経験をさせてもらえることに感謝しています。