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北ハノイサステナブルシティ ~ASEANの新時代をけん引する国際新都市構想~

住友商事グループのビジネスで、注目を集めているビジネスをピックアップしてご紹介。今回は、ベトナム・ハノイ北部の新たな街づくりに挑戦する取り組みをご紹介します。

この記事は2023年2月に公開された内容です

  • 海外不動産事業部

    北森 亘亮

    建設不動産本部におけるマンション開発のキャリアを生かして、北ハノイプロジェクト第1期の住宅開発をリード。

  • 北ハノイ開発部

    此木 梨紗

    学生時代はベトナム語学科を専攻し、現地での語学研修やインターンシップを経験。現在は、プロジェクト内でモビリティとコミュニティの2つのサービスの創出可能性を探っている。

  • ベトナム住友商事
    社会・交通輸送インフラ事業部

    川村 元輝

    本案件の立ち上げから関わる。ベトナムでの語学研修(ホームステイ)なども経験した後、現在はベトナム駐在中。コミュニティサービスの実証実験のオペレーションや現地企業との関係構築・連携を担当。

50年後を見据えたサステナブルシティの開発

今回の取り組みの概要について教えてください。

北森ハノイ市中心部から約10キロメートル北に位置する約272ヘクタール(東京ディズニーランド約5個分)のエリアの都市開発プロジェクトです。ハノイ市北部では、2,000ヘクタールに及ぶマスタープランが策定されており、本案件の他にも産業大学やIT産業パーク、複合医療施設、商業施設、テーマパークなどさまざまな開発が計画されています。住友商事は、ベトナムの中堅財閥であるBRGグループと提携し、2018年に当局から投資許可を獲得しました。BRGとは過去に自動車関連ビジネスで協業をしていた縁があり、お声掛けをいただいたのがきっかけです。当社はタンロン工業団地や発電所などの事業を手掛けており、これまで同国で豊富な実績を持っていることから、当局からの評価も高く、投資許可の取得に繋がっています。

此木開発は5期にわたって計画されており、現在申請中のマスタープランの承認が得られ次第、第1期に着手します。第1~2期は住宅開発を中心に高層マンション16棟6,600戸、戸建て400戸、学校など公共施設の建設を進め、居住人口は第1期で約3万人を想定しています。入居が始まる街びらきは、25年中を目指しています。

川村総事業費は約4,000億円、うち第1~2期は約1,000億円で、住友商事の都市開発としても極めて大規模な挑戦と言えます。北ハノイ開発部、海外不動産事業部、ベトナム住友商事を中心に、インフラ、不動産、エネルギー、モビリティ、デジタル、ライフスタイル、リテイルなど多様な分野で部門を超えて連携して総合的な街づくりを進めていくことができるのが当社の強みです。

ステークホルダーと一緒に成長する都市

目指す街づくりの姿は。

北森私たちが目指すのは、生活者や企業にとって豊かで快適な街となるように持続的に進化を続けるサステナブルシティです。スマート化はあくまで手段に過ぎません。従来の都市開発のあり方にとらわれず、現地における革新的なビジネスが集まる場となることで、長期的に街の価値を向上させて、街に関わるステークホルダーとともに成長していく「アーバンイノベーションプラットフォーム」の構築を目指しています。多くの企業や行政との共創による新たなソリューションを創出することで、変化を続ける社会課題の解決に寄与していきたいと考えています。

川村著しい経済成長に公共インフラなど生活環境の整備が追いついていないことが当地の一義的な社会課題です。環境や交通、健康・医療、安全、コミュニティ、教育・文化などさまざまな現地の要望に対し、生活環境の整備とDXを活用したスマートソリューションで応える街づくりを進めていきます。

此木新しい街づくりでは、コミュニティにおける人と人とのあり方もとても重要なものだと考えています。そこで、BRGグループが所有するマンションにおいて、住民同士の共助・共創コミュニティを創出するサービスインフラの実証実験を今年3月から8月まで実施しました。コミュニティの希薄化や安心安全な子育て環境の欠如、子どもの肥満や生活習慣病の発症など現地の課題に対するサービスを共用施設で提供しました。

川村住民の持つスキルやモノを共有するライフシェアリング、子ども向けのボールプールなどのプレイグラウンド、常駐する看護師による日常的な健康相談に対応するタウンインファーマリー、健康的な食事メニューを提供するコミュニティカフェの4つのサービスを展開しました。また、住民同士による読み聞かせやマナー講座などの子ども向け課外事業、住民や地元の学生によるコミュニティイベントの開催など、ステークホルダー自らが発案し、地域一体となってつくり上げる場を提供しました。ここで得られた知見を、これからの住宅施設の整備に役立てていきます。

アーバンイノベーションプラットフォームのイメージ

コミュニティカフェ

スキルシェアリング

プレイグラウンド

街の保護室

地道な仕事の積み重ねが、街づくりにつながっていく

これまでの活動の中で特に苦労されたこと、印象に残っているエピソードは。

此木前例のない開発案件で、誰も最適解を持っていない中でプロジェクトが動き出しました。私が担当しているモビリティ検討で実感したのは、最新のモビリティサービスを取り入れれば良いわけではなく、そのサービスがいかに現地のニーズにマッチしているかの見極めが大切ということです。街びらきが迫っている時間軸の中で本当に役立つサービスは何か、仮説と検証の繰り返しを進めていくことの難しさを日々感じています。
また、コミュニティの実証実験は、協力企業と何回も契約書を交わし、修正する事務的な仕事の繰り返しでした。そうした地道な取り組みがあってこそ、住民の方々に良いサービスが提供できることを実感できたのは自分にとって大きな学びになりました。

北森この案件は「単なる不動産開発に終わらせない」ということを目指し、当社としてもこれまで挑んだことのない挑戦をしているわけですが、日々今まで経験したことのないような想定外の出来事がたくさん起こります(苦笑)。そんな困難に対して、社外の関係者はもちろん、コーポレート部隊の皆さんともしっかり協力しながら、一つ一つ、手探りで答えを探し乗り越え、着実に前に進んでいきたいですね。

川村ベトナムの方たちとのコミュニケーションを通じて、日本との文化の違いを実感する毎日です。例えば、コミュニティ実証実験で、サッカー教室が無料で開催されることになったのですが、当日のドタキャンが非常に多いことに驚きました。これは、大らかさやいろんな人を受け入れる懐の深さといった文化によるものだと思います。ベトナムでも「郷に入れば郷に従え」という意味のことわざがありますが、ベトナムの事情を踏まえつつ、文化の押し売りになることなく、日本の良さとベトナムらしさをどう調和させるか、それを実現させることにわくわくします。

ASEAN新都市のロールモデルに

今後の目標、展望について教えてください。

北森民間企業だけでゼロから始める街づくりのモデルをASEANに示すことで、ベトナムを始めとする各国の経済・産業の発展に広く貢献していくことが目標です。同時に、ビジネスとして取り組む以上、収益を上げることにも強くこだわりたいです。
念願だった第1期の修正マスタープランの承認が得られるまであと少しです。街がつくられ、生活や地域社会が形づくられていく過程で、共創を起こし、社会とともに持続的に成長する新しい事業モデルを創出し、Enriching lives and the worldの実現を目指します。

此木プロジェクトに関わって1年ほど経ちますが、まだ一度も現地に足を運ぶことができていません。川村さんから現場の進捗を逐次レポートいただき、状況を常に把握するように努めています。早く建設予定地やコミュニティ施設をお伺いして、いろいろなものを自分の目で確かめてみたいです。

川村現在の開発予定地は、田んぼの広がるグリーンエリアです。ここに大掛かりな近未来の街ができるとは、私自身もまだ信じられませんが、全くのゼロから都市を開発していくことに大きなやりがいを感じています。0→1のチャレンジを成し遂げるには住友商事だけではなく、いろいろな関係者の方々と力を合わせた総合力が必要です。興味をお持ちの方がいらっしゃいましたらぜひお声掛けいただき、一緒に街づくりを進めていくことができたらうれしいです。

開発予定地

今後のスケジュール

私にとっての“Enriching lives and the world”とは?

  • 北森 亘亮

    サービスを享受する近いところから始めていくものだと思います。まずは家族や仲間を豊かにすることが、社会や世界を豊かにすることに繋がると考えます。

  • 此木 梨紗

    サービスを享受する人、この案件で言えば「生活者」が本当に必要とするものを考え尽くし、どっぷり入ってハンズオンでやっていくことだと考えています。
    いろいろ検討をし尽くしても、目的意識が欠如していては、持続性がなく価値が薄れてしまうと思うので、生活者目線に立つことを何よりも大切にしていきたいです。

  • 川村 元輝

    世界を舞台に、多くの人に、より大きな価値を提供すること。

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