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2026.6.2

Culture

障がい特性は「強み」になる。住商ウェルサポートが切り開く、新しい障がい者雇用の形

2014 年に設立された、住友商事(以下、住商)の特例子会社・住商ウェルサポート。障がい特性を「強み」として捉え、一人ひとりの力を生かした業務を通して、住友商事グループ(以下、住商グループ)に貢献しています。本記事では、同社の業務の広がりや住商グループの一員だからこそのやりがい、成長を妨げない支援のあり方について、設立にも携わったオフィス事業部長の吉田吏貴さんと、社員の冨永真紀子さん、Y さんにお聞きしました。

※本記事のメインビジュアルおよびイラストの作成、掲載作業は住商ウェルサポートにて対応しました。

  • 住商ウェルサポート株式会社
    オフィス事業部長

    吉田 吏貴

    2014年入社。大学卒業後、障がい者福祉施設で約10年にわたり、知的・精神・発達障がいや高次脳機能障がいのある方の支援に従事。地域生活支援や就労支援に携わる中で、企業との接点の重要性を実感し民間企業へ転身。特例子会社にて多様な現場で障がい者雇用を推進したのち、立ち上げフェーズから関われる環境を求めて現職へ。これまでの経験を生かし、人材育成や組織づくりに携わっている。

  • 住商ウェルサポート株式会社
    オフィス事業部 PCチーム

    冨永 真紀子

    2024年入社。PCチームで開発を担当。MicrosoftのPower Platformを活用し、社内各部署からの依頼に応じたアプリ開発や業務自動化を手がけるほか、社内メンバー向けの開発研修も担当している。

  • 住商ウェルサポート株式会社
    オフィス事業部 コピー印刷チーム

    Y

    2023年入社。コピー印刷チームでグラフィック業務を中心に担当。Adobe IllustratorやPhotoshopを用いたWeb用画像制作や社員証ネックストラップのデザインなどを行うほか、財務データ入力やフロアコンシェルジュなど幅広い業務を担っている。

目指すのは「普通の会社」。住商ウェルサポートが歩んできた12年

まずは住商ウェルサポート(以下、SWS)が設立された背景について教えてください。

吉田SWSは、障がいのある社員が活躍できる場をつくり、雇用を広げていくことを目的に、14年に設立されました。ミッションは、グループ各社の業務を代行し、確かな戦力として事業に貢献すること。社名の「Well」には「グループにとって良きサポート役になろう」という想いが込められています。

SWSでは、具体的にどのような業務を行っているのでしょうか?

吉田住商グループのオフィス基盤を支える業務を担っています。設立当初は、古紙回収やシュレッダー、封入発送といった軽作業に加え、名刺作成などの基本的なオフィス業務が中心でしたが、コロナ禍でペーパーレス化が急速に進み、紙業務が減少したことを受け、デジタル領域などの新たなサービスへと舵を切りました。その後、コピー印刷センター、メールセンターやマッサージルームの運営を開始し、24年度には大阪営業所を開設するなど、受託領域は着実に広がっています。

吉田さんはSWSの立ち上げから関わっていらっしゃいますが、当時、どのようなビジョンを描かれていましたか?

吉田将来的に「普通の会社」と言われる存在になることを目指していました。障がい者雇用というと、簡単な仕事を任せるというイメージを持たれがちですが、それでは社員、会社いずれの成長にもつながりません。最初の5年間こそ、会社の下地づくりとして雇用率向上を優先してきましたが、以降は「SWSでは難しいのでは」と言われた業務、例えば専門的で機密情報を取り扱う財務データの入力なども積極的に受注につなげてきました。

とはいえ、いきなり高度なことができるわけではありません。初期の頃は「この作業はここまで準備していただければ、あとはうちの社員ができますよ」といったように、工程を細かく分解し、役割やチェック体制を設計し直すことで形にしてきました。「前例がない=できない」ではなく「前例がないなら、できる方法を探す」という考え方が、SWSの文化として根づいてきたと感じています。

加えて、住商グループには「まずやってみよう」と提案を前向きに受け止め、任せてもらえる文化があります。リスクの議論はしっかり行いつつも、挑戦そのものを歓迎し、実践につなげていける。SWSの文化形成においても、その環境は非常に大きかったと感じています。

アプリ開発にグラフィックデザイン。ここで見つけた仕事でグループを支える

ここからは冨永さん、Yさんにも伺います。お二人がSWSを選ばれた理由を教えてください。

冨永自分がこの職場で働き続けるイメージが持てるかを重視して選びました。他の特例子会社の業務体験では「こんな支援をしています」といった特別な配慮や支援を押し出していることが多かったのですが、SWSはいい意味で「普通の会社みたいだな」と感じたんです。必要な配慮はありながら、一人一人とのコミュニケーションを大切に、個別対応してくれるところが、自分に合っていると思いました。

Y私は、精神障がい・発達障がい者の採用実績があるか、合理的な配慮が受けられるか、正社員登用の実績があるか、自分の特性を生かした仕事ができるかといった視点から仕事を探していました。中でも、精神障がい・発達障がい者雇用は非正規も多い中、SWSでは入社後に正社員を目指せる点に大きな魅力を感じました。

現在、冨永さんとYさんが担当されている業務について教えてください。

冨永社内や住商グループからの依頼を受け、Power Platform(※)を活用した業務改善や自動化の開発を担当しています。例えば、PDFの内容を手入力する作業を自動化したり、Excelの数値をアプリやグラフで可視化したり、現場の負担を減らす仕組みづくりを行っています。開発業務では、「できるかどうか分からないもの」に向き合い、それを形にできたときに、大きな達成感を覚えますね。


※Microsoftが提供するローコード/ノーコード開発プラットフォームの総称。プログラミングの専門知識がなくても、直感的な操作で業務アプリ開発(Power Apps)、業務自動化(Power Automate)、データ分析(Power BI)、Webサイト構築(Power Pages)を高速かつ低コストで実現し、DX推進や業務効率化を支援するツール群


冨永さんが開発した印刷発注アプリ(上)と業務受注管理アプリ(下)の画面

Y私は主にグラフィックデザインを担当しており、IllustratorやPhotoshopを使って、グリーティングカードやカレンダーデザインなどの制作を行っています。また、財務データの入力、グループ内のオフィスで郵便物の仕分けなどの庶務業務を行う「フロアコンシェルジュ」などの業務も担当しています。

特に印象に残っているのは、住商グループで使用される、新年用のEグリーティングカードの制作です。実際に公開されたときは、自分の手がけたものが誰かのもとへ届く喜びを感じました。

Yさんがデザインした、新年用のEグリーティングカード

お二人は、現在どのような働き方をされているのでしょうか?

冨永昨年は新しい業務や新入社員の研修に挑戦する中、体調を崩してしまい、今は特例として週2日のテレワークをしています。振り返ると、体調を崩したのは業務を抱え込みすぎていたことが原因だったと思います。その経験から「無理をしすぎないこと」を意識するようになりました。会社に相談しやすい環境があるので、休職することなく、安定した勤務を続けられています。

Y基本は週5日、1日6時間半勤務で出社することになっていますが、体調を整えるために、相談のうえ週1日はテレワークにしています。急な欠勤や業務が重なったときも自然にフォローし合う雰囲気があって、その点はとても安心感があります。

住商グループの一員として働くなかで得られたことや、考え方の変化について教えてください。

Y多くの特例子会社は、本社と別の場所にあることも多いですが、SWSは住商本社と同じビルにあります。他フロアに行くたびに、本当にたくさんの人の協力で会社が成り立っているんだなと感じます。制作物が、エレベーターサイネージで流れているのを見かけると、自分もグループの一員として役に立てているんだなと思えて、うれしいですね。

冨永住商グループの方々と同じビルで業務を行ったり、食堂でご飯を食べたりしていると、「これだけの人が働いている場所で私も仕事をしているんだ」「自分たちの仕事がグループ内の誰かの役に立っているんだ」ということが目に見えて、うれしくなりますよね。

「どうすればその人の力を引き出せるか」から始める業務・環境設計

SWSでは、障がい特性を「強み」として捉えているそうですね。

吉田私たちが大切にしているのは、その人が自分の力を発揮できる状態で仕事に向き合えることです。能力の差というよりもパフォーマンスを発揮するための前提条件が人によって違うため、業務設計と運用の工夫次第で、障がい特性は「強み」になると考えています。



例えば変化の多い環境よりも、一定のルーティンの中で高い精度を発揮できる人もいれば、条件が整うことでより深い集中力を保ちやすくなる人もいますよね。それは特別なことではなく、誰にでもある違いだと思っています。だからこそ私たちは、「何ができないか」ではなく、「どういう条件がそろえば、その人は力を出せるのか」という視点で業務や環境を設計しています。

同時に、支援のあり方にも目を向けています。専任担当者たちに「転ばぬ先の杖をつきすぎないように」と伝えているのですが、支援が過剰になれば、成長を妨げてしまうこともあります。力を発揮するための前提条件は、100人いれば100通りあるもの。その違いを前提として、「個々が自分のペースで仕事に向き合い、結果としてチーム全体の力につながっていく」。これが私たちの考える支援のあり方です。

自分のペースで可能性を広げる。誰もが安心して挑戦できる会社

最後に、SWSで働く魅力はどこにあると思いますか?

Y安定して働きたいと考えている方にとって、正社員登用の実績やオフィスの環境は大きな魅力だと思います。実際に働きながら、自分に合った形でキャリアを築いていける点にも、心強さがあります。

冨永初めに話したとおり、SWSは特定の制度や仕組みを前面に出すというよりも、一人一人に向き合いながら、その人に合った環境を一緒に作っていく会社だと感じています。社内の専任担当者の方と相談しながら柔軟に働き方を変化させていける、そんな環境を必要としている人にこそ合う会社だと思います。


吉田私たちが大事にしているのは、障がいの有無に関係なく「その人の強みを生かして活躍してもらう」ということです。「強みを生かす」と聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、自分の力を発揮できる土台さえ整えば、成長は自然とついてくるもの。まずは「安定して働きたい」という思いで入社し、その後少しずつ自信をつけて新たな挑戦へ踏み出す方も多くいます。

一人ひとりが、自分のペースで成長していける環境を整えていますので、興味を持ってくださった方には安心して応募してもらいたいと思っています。

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