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2024.2.27

会社で整うココロとカラダ。世界で戦う商社パーソンの健康を支える施設とは

住友商事では新たな価値創造を推進するためには社員の健康が基盤であると考え、各種の施策を講じています。今回はその中でも社員のココロとカラダのケアを行うカウンセリングセンターとマッサージルームを取り上げます。15年以上にわたって利用者数を増やしている両施設にEnriching+取材班が初めて潜入し、“愛され、使い続けられる秘密”を探りました。

  • SCGカウンセリングセンター

    森川 妙子

    公認心理師・シニア産業カウンセラー・キャリアコンサルタント・家族相談士の資格を有する。大学卒業後、酒類・食品メーカーで営業支援、マーケティング推進等に約10年従事。その後、国内・海外で心理学やカウンセリング等を学ぶ。2000年より産業カウンセリング分野に携わり、複数の契約企業にてカウンセリング、コンサルテーション、研修等を担当。2006年からSCGカウンセリングセンターに所属し、19年より同施設センター長。

  • 人事厚生部

    村田 大樹

    2009年住友商事入社。入社以来、一貫して人事のキャリアを積む。これまで役職員報酬設計や福利厚生などに携わり、ニューヨーク駐在も経験。ラガーマンとして培った ”one for all, all for one” の精神で商社の肝である人材の育成・活用に情熱を注ぐ。

治療から予防へ 「社員のイキイキ」を形作るための住商の健康経営

総合商社の財産は「人」である、という表現を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。時代の変化を先取りし、一歩先の将来を見据えて日々価値創造に取り組む住友商事での仕事は、時にハードな交渉や粘り強さが求められるタフなものです。また、世界約60カ国に1,000人以上が駐在し、世界を飛び回っている社員も多く、グローバルな事業モデルであるがゆえに昼夜が逆転することも。住商では、すべての社員がイキイキワクワク健康的に働き、新たな価値創造にチャレンジする会社を目指しており、ヘルスリテラシーの向上、もしもに備える安心体制、グローバル医療サポートの3つを柱とし、社員の健康を支えています。


当社サイト内、「健康経営」ページより抜粋

昨今、日本全体で力を入れているのは疾患が生じてから対処するのではなく、事前の予防に努めること。23年の政府の骨太の方針では、社会保障分野の強化・推進策として「健康づくり・予防・重症化予防の強化」が掲げられています。「病気になる前に防ぐ」という考え方は、今後労働人口が減る日本において健康寿命を延伸していくためにも重要項目とされているのです。

予防への取り組みが一層重要となる中、企業はどのような施策を講じることができるのでしょうか。住商のオフィスの一角に設けられた2つの施設には、そのヒントが盛り込まれているかもしれません。カウンセリングを行うカウンセリングセンターとマッサージルームという、15年以上の歴史がある両施設にEnriching+取材班が初めて潜入し、“愛され、使い続けられる秘密”を探りました。

愛され続けて18年。口コミで来談者が増え続けるカウンセリングセンターに潜入

SCGカウンセリングセンターは、住友商事本社ビルの中にあります。住友商事の社員だけではなく、加盟グループ企業50社の社員、計1万2,500人が訪問しやすいよう、約200平方メートルのその場所には細部に至るまで、こだわりが。扉を開けると目に入るのが、植物のグリーンの額縁。2つある相談室は、それぞれ温かく柔らかい印象を与えるオレンジとグリーンを基調としたテーマカラーでまとめられています。座るときには相対するのではなく斜めに座る、入り口と出口が別々の一方通行で他の社員と顔を合わせることがない設計、など利用者に寄り添いつつ、プライバシーを守れるような配慮がされています。

「相談に来る方の中にはストレス等により体温が下がり気味の方も。そのためにブランケットも置いています」と語るのは、SCGカウンセリングセンターの森川妙子センター長。2005年の開所直後から在籍し、当初は年間約200だった利用数を22年度には年間2,300余りにまで増やした立役者でもあります。

利用者からは、「カウンセリングを受けるのにはネガティブなバイアスがあり、ためらいがあった。周りの口コミで利用を始めたが、カウンセリングのイメージが変わった」「頭と心が整理できる。自分や情況を俯瞰する時間として利用している」といった声が聞かれ、効果について社内での認知が広がっています。

当社資料より

2005年に開所して18年になりました。ここまで長く続けられた理由についてどのように考えていますか?

森川 カウンセリングセンターに来てもらうにあたって、気兼ねなく利用できる場所であるという安心感、専門性への信頼が年月を重ねて築かれたからだと思います。海外のようにストレスマネジメントとしてカウンセリングを予防的に活用することで、本来のパフォーマンスの発揮につなげていただくことが私たちの願いです。

開所当初は、「相談事項が人事や上司に伝わるのではないか」「どんな悩みを相談したらよいかわからない」といった声がありました。そうした声に応え、社員の皆さんに愛され、リピーターになっていただくための地道な取り組みを積み重ねてきたことで、今日のカウンセリングセンターがあります。

開設以来の第一の運営方針は、「守秘義務の厳守」。カウンセリングセンターは、人事・職場・診療所等との共有・連携をせずに会社からは独立した運営を行っているため、相談内容が漏れることはありません。

また運営方針の2つ目として「なんでも相談」を掲げています。相談内容は仕事の話に限っていません。日常の利害関係のない専門職に、気兼ねなく無料でなんでも相談できる、敷居の低さをアピールしています。直近の相談内容をテーマごとに見てみますと、メンタルマネジメントとしての利用が約3割と最も多く、続いて仕事、人間関係、さらにキャリア関連のご相談も増えてきています。

SCGカウンセリングセンター運営方針

守秘義務厳守:人事や職場に伝わらない

• 徹底したプライバシーへの保護と配慮
• 個別の来談の有無や利用者名、相談内容は一切開示しない
• 年1回 全体利用人数・男女別比率・主な相談内容等をイントラ掲載

何でも相談:仕事以外の個人的なことでもOK

• セルフマネジメント メンタルトレーニング
• 不眠や不安など 心身不調
• 業務関連(仕事量・質・モチベーション・海外・キャリア・ハラスメント等)
• さまざまな人間関係(職場・家族・個人)
• 家族のこと(親・配偶者・兄弟・子 の健康・育児・教育・介護 等)
• 恋愛、結婚、婚活、妊活、グリーフケア

利用者の数は右肩上がりです。利用者を増やすために工夫していることはありますか?

森川 新卒、キャリア採用問わず、新たに入社した社員への研修などさまざまな社員研修の中で、カウンセリングセンターについての案内を盛り込んでもらえるよう働きかけたり、「お昼休みちょこっとセミナー」と題して時流をとらえたテーマに基づく約30分のセミナーを毎月1回開催して知識提供・認知向上を図ったりして、親しみやすい施設であることを積極的に伝えています。

また、カウンセリングは対面が基本ですが、コロナ禍でオンラインカウンセリングのニーズが急増し、日本では研究も実践も少ない中、スタッフ一同で学びと工夫を重ね、リモートでのカウンセリングもスタートしました。培った知見は、海外駐在員への対応をはじめ、在宅/出社のハイブリッド勤務となった現在にも生かされており、カウンセラーがその時々のニーズに合わせて技能を高めていることも評価していただいています。

利用者を増やす上で最も貢献しているのは、社員の口コミです。周囲の人が利用していれば、自分も行ってみようかとハードルが下がり、最近では新規の利用者は口コミで来られた方がほとんどです。

「仕事の合間にちょこっと」をかなえる住商グループの癒やされマッサージルーム

マッサージルーム「コリトン」に足を踏み入れると、4つの個室がずらりと並びます。
週1回のペースで就業時間後に利用しているという建機レンタル事業部の益田悠暉さんは、「若い頃運動中にケガをしたこともあり、長時間座っていると体全体が痛くなります。同僚に教えてもらいましたが、体だけではなく、施術中に現在進めているプロジェクトについて考えることができ、思わぬリフレッシュ作用もあることがわかりました。人気になると予約が取りづらくなるのであまり宣伝したくないですね(笑)」と話します。

マッサージルームでは、視覚障がいのスタッフが施術を担当しており、現在は6人の施術スタッフで運営しています。スタッフの米田幸弘さんは、「個々人の要望に基づいた施術を心掛けています。仕事の前後や合間に訪れるので、筋肉を和らげるよう適度な圧でマッサージをするのが大切ですね」と話した上で、「気持ちよかった、という声掛けが何よりも励みになります」とやりがいについて語っています。

社内にマッサージルームを設置している狙いについて教えてください。

村田 従業員に疲労回復のため気軽に利用してもらえる施設であることを目指しています。住商社員は運動好きの人も多く、健康増進の一環としても活用されています。

コリトンをより多くの社員に利用してもらうための工夫について教えてください。

村田 コロナ禍以前は年間3,000人余りが利用し、コロナ禍に一時的に減少したものの23年度も既に2,000人以上と利用者数は急速に回復しています。施術費が周辺の店舗に比べ割安に設定されているのも福利厚生ならではと考えています。また、本社オフィス内にあり気軽に訪問できることや、勤務時間内も利用可能としていることも社員の利用を後押ししていると思います。

住商社員に支持されるカウンセリングセンターとマッサージルーム。そこで働くメンバーと社員の交流で生まれた信頼が、長年愛され続ける秘密なのかもしれません。

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