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2025.10.9

Culture

「社内公募制」で描く理想のキャリア。制度を活用した社員が語る、その魅力

住友商事(以下、住商)では、1999年より「社内公募制」を導入しています。本記事では、ここ数年で利用者数が増加傾向にある本制度の概要や目的を紹介するとともに、実際に制度を利用して希望のキャリアを実現した社員に、応募の理由や異動先での仕事のやりがいなどについて話を聞きました。

「社内公募制」とは?住商が目指す、人と組織のエンパワーメント

当社の社内公募制は、戦略的な人材配置と社員一人ひとりの自律的なキャリア形成の支援を目的としており、「PC(Post Challenge)制」「FA(Free Agent)制」の2種類があります。応募の際には上司への報告も承認も不要としており、社員が挑戦しやすい仕組みとしています。

・ PC制:組織が所要のある職務を提示して人員を募集、興味のある社員が応募
・ FA制:社員が興味のある部署に希望を提示し、部署は所要があれば選考

2024年度には38名の社員が制度を活用して異動しました。応募の動機としては「興味のある分野で働きたい」「これまでの経験を活かして新たな領域に挑戦してみたい」といった声がよく聞かれます。応募者のポジション、役職の有無、入社歴は様々で、チーム長レベルからの応募もあります。また、コーポレートから営業、営業からコーポレート、営業から別分野の営業など、それまでの業務内容とは全く異なる部署への異動も少なくありません。

ここ数年、社内公募制を利用する社員が増えています。
住商では、前中期経営計画(以下、中計)において、人事諸制度の基盤整備に取り組み、旧来あったさまざまな制度的な制約を撤廃しました。具体的には、年功ではなく職務の大きさに基づき等級を決定する「職務等級制度の導入」、基幹職と事務職で分かれていたコース別人事管理を撤廃し、プロフェッショナル職に統一した「職掌一本化」などを通じて、属性を意識せずに真に適所適材を進めていく土台を築きました。

成長ステージに舵をきった現中計では、社員一人ひとりが自らの持てる力を存分に発揮できるよう「人と組織のエンパワーメント」をNo.1事業群を目指すための重要な要素の一つに掲げています。その具体的な施策として、2025年度からは社内公募制を改定し、従来年1回実施していたものを、組織側は随時募集可能とし、社員の応募要件を緩和しました。個人としては、競争を前提としながらも自身の意欲に沿ったキャリアを追求できるようになり、組織としては多様性の向上による組織力強化を実現することができます。キャリア自律の意識が高まる中、今後さらに制度の活用が進んでいくと見込まれています。

食料事業本部から工業団地ユニットへ(黒木啓祐)

ここからは、実際に社内公募制を利用した社員のインタビューをお届けします。今回ご紹介するのは、入社10年目にしてまったくの異業種へ飛び込むことを決断した黒木さんです。

  • 工業団地ユニット

    黒木 啓祐

    2012年に新卒で入社し、生活産業・建設不動産総括部*(現在のCFOオフィス)に配属。食料事業本部*に異動後、食肉のトレードに従事し、事業会社(住商フーズ)への出向や2年間のタイ駐在(トレイニー)を経験。2022年に社内公募制(PC制)を活用して工業団地ユニットに異動。現在に至る。

    *いずれも在籍当時の部署名を記載。

現在は、工業団地ユニットでどのような業務を担当していますか?

黒木工業団地ユニットは、「各国の経済発展と、その国に暮らす人々の『豊かさと夢の実現』に貢献する」「ご契約頂いた時がお付き合いの始まり」をモットーに、東南アジア・南アジアの6か国で10か所の工業団地を開発・運営し、日系企業を中心とした製造業が海外に進出しやすい環境を整備しています。その中でも旗艦事業と位置付けるベトナムでは5つの工業団地を保有しており、私はその経営・運営をサポートする主管業務や新規工業団地開発の調査・検討を担当しています。

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社内公募制を利用しようと思ったきっかけは何でしたか?

黒木1つは、東南アジアの発展に寄与するビジネスに関わりたいという想いがあったからです。総括部や食料本部時代にミャンマーに関わる仕事をしたことやタイに駐在していた経験から、「東南アジアで仕事がしたい、発展に貢献したい」という想いを持っていました。

もう1つは、入社以来いつかは事業投資に携わりたいという想いを持っていたことです。トレード業務はスピード感が求められ非常に刺激的で、そこでビジネスの基本を学んだことが今でも自分の礎となっています。入社10年が経ち、改めて自分が目指す姿や当社で実現したいことを考える中で、チャレンジしてみたいという気持ちが強くなったことから応募しました。

入社10年目のタイミングでの挑戦に、不安はなかったですか?

黒木もちろん不安はありました。業務内容がガラッと変わるので、新人に戻った気持ちで頑張ろうと覚悟をしていました。でも、社内公募制のいいところは、住商に所属したまま別の世界へ飛び込めること。他商社社員の知り合いも多くいますが、私は住商の人や雰囲気が一番好きなんです。だから、転職することなく希望の仕事に挑戦できる制度はありがたいと思いました。住商の社員同士、カルチャーや基本的な仕事の進め方、組織の動き方などは理解し合えていますから、その点はとても安心でしたね。実際、異動先のメンバーたちは住商社員らしい人たちばかりでした。制度を利用しようか悩んでいる人には、「心配しないで。業務内容は違っても、中で働く人の雰囲気は共通しているからすぐに慣れるよ」と伝えたいですね。

異動前のスキルや経験で今に生きているものはありますか?

黒木様々な企業とお付き合いをしてきた経験です。食肉を扱っていた当時、町の問屋さんから、日本で最も大きな加工メーカーまで様々な企業とビジネスをしてきました。現在も、優れた技術を持った中小企業から大企業まで多種多様なお客様と日々商談させて頂いています。求めることやスピード感など多くの違いがある中で、これまでの経験を活かせていると思います。

異動してご自身が成長したと思うことは?

黒木多様な分野の企業と接することで、自然と多くの知識が身について、自分の中に引き出しが増えたような気がしています。また、海外の土地を買い、新たに工場を建てるのはお客様にとって重大な経営判断となりますので、そこに寄り添ってご支援させて頂く中でたくさんの気づきや学びを頂いていることも、成長に繋がっていると思います。

第二タンロン工業団地(ベトナム)
第四タンロン工業団地 開発イメージ(ベトナム)

社内公募制では、応募者はどのようなところを見られているのでしょうか。

黒木最近は、私自身が社内公募制を利用して異動を希望する方の面接をする立場になりましたが、工業団地ユニットで重視しているのは特定の経験やスキルではありません。新しいことに果敢に挑戦する意欲や、工業団地ユニットのモットーである「明るく楽しく元気よく」に共感してもらえるかを重視しています。

部下や後輩からキャリアについて相談を受けた際には、どのようなアドバイスをされていますか。

黒木1つ目は、キャリアを通じて将来実現したい自分の姿を想像し、そのためにどんなことをすべきか、どんなことをしたいかを考える習慣をつけて欲しいと伝えています。忙しいとどうしても目先の業務に追われがちですが、時に立ち止まって、なるべく遠い未来から逆算してキャリアプランを考えてもらうことで、目指す方向がより具体的になり、より効果的に成長の機会を得やすくなると考えています。

2つ目は、積極的に仕事を取りに行く姿勢を持つこと。誰かに重要な仕事を任せようと思った時、やはり意欲のある人に白羽の矢が立ちます。だからこそ「やりたい」という気持ちを常に発信して、幅広い業務に挑戦するチャンスを掴んで欲しいと思っています。

今後のキャリアプランについて、お聞かせください。

黒木工業団地会社の経営に携わりたいです。多岐にわたる分野で事業投資を行い、投資をした会社に経営者として参画できるチャンスがあることが総合商社の魅力の1つだと感じています。その中でも工業団地ユニットは、私が仕事を通じてその発展に寄与したいと考えている東南アジア・南アジアに複数の事業会社を有し、雇用創出など社会貢献性の高い事業を展開しているので、ぜひ実現したいですね。

黒木さんの上司である工業団地ユニット長の福田繁夫。異動後、半年ほどで黒木さんをチームリーダーに抜てきした(写真右)
  • <福田ユニット長のコメント>

    黒木さんは、上長の私にも臆することなく腹を割って、工業団地ユニットをより良くするための意見をくれる貴重な存在です。物事をていねいに見て、小さなことに気が付くだけでなく、俯瞰的な視点からも話ができる人だと思っています。あらゆることを点のままではなく線にして、それをちゃんと面にして、さらにそれを球体にするような力がある。つまり、1つのことを何かとつなぎ合わせて、具体的な形にしていけるという意味です。その資質があるからこそ、異動半年のタイミングながらもリーダーに抜てきしました。たくさんの経験を積んで、「経営に携わる」という志をかなえてほしいと期待しています。

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