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2024.3.8
Culture
キャリア採用比率は4割超。人事担当者が語るキャリア採用強化の理由
社会が目まぐるしく変化する中、これまでの「商社ビジネス」の枠にとどまらない、多様な事業を展開する住友商事(以下、住商)。変革期を迎える中で、キャリア採用(中途採用)を強化しています。キャリア採用比率は年々上昇し、2023年度は全採用者のうち47%となる、88名がキャリア採用で入社しました(2024年3月1日時点)。
なぜ住商はキャリア採用を強化するのか。また、キャリア入社者は入社後どのような活躍をしているのか。人事部採用チームの國分義則、林里奈に聞きました。
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人事部採用チーム
國分 義則
2010年に新卒入社し、初期配属は資源・エネルギー関連の経理。アルジェリア駐在、中東・アフリカ向け自動車トレード業務、自動車製造部品・設備関連の国内外での事業投資・事業開発、国内事業会社への出向等を経て、21年度から現職。現在はキャリア採用をメインに担当。
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人事部採用チーム
林 里奈
2016年に新卒入社。人事部採用チームに配属され、入社以来一貫して採用業務に携わる。新卒・障がい者・キャリア採用といった採用業務の全てに従事。現在はキャリア採用における採用ブランディング・選考設計等をメインで担当。
「商社=新卒一括採用」じゃない。求めるのは、高い志と専門性
近年強化しているというキャリア採用の概要と傾向を教えてください。
林 住商のキャリア採用は、特定領域における経験や専門性を持つ方を対象にした「ジョブ型」と、社会人10年目ぐらいまでの若手・中堅層を想定したポテンシャル重視の「オープン型」の2種類があります。ジョブ型は現在30ほどの特定のポジションで募集していますが、オープン型は経験不問で、選考中にポジションを決定します。
入社者の平均年齢はジョブ型が35〜36歳、オープン型が29歳。前職は、メーカー、金融、メディア・IT、弁護士、会計士など多種多様です。
22年度のキャリア入社者は75名でしたが、23年度は88名とさらに増え、新卒とキャリアの採用比率は、1対1に近づいてきていますね。
住友商事の過去5年間のキャリア採用人数
(単位:人)
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
キャリア(※1) | 36 | 35 | 27 | 20 | 75 | |
男性 | 30 | 27 | 24 | 14 | 47 | |
女性 | 6 | 8 | 3 | 6 | 28 | |
中途採用比率(※2) | 18% | 14% | 15% | 16% | 43% |
※2 各事業年度に採用した正規雇用労働者に占める中途採用者の比率 ※2024年2月15日公表
キャリア採用では、どんな人材を求めていますか?
國分 ジョブ型・オープン型ともに、住商で実現したい夢を持ち、アグレッシブに行動できる方を求めています。時代の変化に素早く対応できる柔軟性や、常に成長を追い求める志の高さも欠かせません。
特にジョブ型では、高い専門性を持つ即戦力を求めていますが、その専門領域は多岐にわたります。例えば、エネルギー分野だと水素・蓄電池・洋上風力発電など、DX分野だとAIエンジニアリング・デジタルマーケティング・デジタル事業投資/開発、あるいはDX戦略企画・M&A支援(ITDD/PMI)など。モビリティ領域では自動車エンジニアリング(設計・開発)・オートリースなどです。どの領域であれ、特定分野の知見や経験だけではなく、「事業を推進していく力」を重視しています。事業における課題を抽出して、それに対する改善策を考え、実現までの青写真を描き、プロジェクトを推進していく、といった力ですね。
応募者の人となりは、どう見極めていますか?
國分 ポジションによりますが、本格的な選考に入る前に、お互いにじっくり話すことができるカジュアル面談を設けることもあります。選考では、「チームで働く上で大事にしていることは?」「どんな思いで仕事に取り組んできたのか」などキャリア観を深掘りするような質問を多く投げかけていますね。
変化するキャリア観に応える、経験不問の「オープン型採用」
キャリア採用を強化している背景には、どんな課題があるのでしょうか?
國分 変化の激しい社会に対応するため、主に3つの課題があると考えています。1つ目は「従来の雇用制度の見直し」、2つ目は「自律的なキャリア形成」、そして3つ目が「個人のキャリア観の変化」への対応です。
「従来の雇用制度の見直し」というのは、いわゆる年功序列からの脱却です。「Pay for Job, Pay for Performance」をコンセプトに、能力と意欲のある人材をどんどん登用していこうという制度体系になってきています。また、「自律的なキャリア形成」を目指しているのは、商社ビジネスが多様化してきていることもあって、従来のようなジョブローテーションで汎用性のある人材を育てていくだけではなく、高い専門性を持つ人材の育成が求められていると考えたためです。最後の「個人のキャリア観の変化」というのは、転職が当たり前になってきており、その変化に対応していかなければならない、ということです。
その流れの中で、21年4月に人事制度を改定し、22年度からオープン型のキャリア採用も始まったわけですね。
林 そうですね。日本でも終身雇用という概念が薄れゆく中、キャリアプランの土台としての「ファーストキャリア」という考え方が出てきています。次のステップを見据えて、新卒で数年間働いたら転職する、というキャリアパスを描く方が増えている現状を踏まえ、22年度からオープン型の採用をトライアルで実施しました。その結果、さまざまなバックグランドを持つ意欲の高い方々に入社してもらうことができたので、23年度から正式運用しています。
多様性が価値創造の源に。活躍を後押しする、働きやすい環境
同時に、住商ではDE&I(Diversity, Equity & Inclusion)を価値創造の源泉と位置付け、女性活躍も推進していますよね。
林 はい。住商では、30年度までに女性管理職の比率を20%以上、女性部長級比率を10%以上に引き上げる目標を掲げています。全社員の男女比率は7:3で男性が多いため、女性のキャリア採用の加速は必須です。22年度キャリア入社者の女性比率は約4割と全社の割合より若干高めになっていますが、商社には依然として「男性社会」や「タフでなければいけない」といったイメージが根強く、女性にとっても働きやすい環境整備には力を入れていますね。
具体的に、どんな制度や環境がありますか?
林 コアタイムは設定せず、フレキシブルタイム(5:00~22:00)の間であればどの時間帯でも勤務できる「スーパーフレックス」が全社員に導入されています。現行の全社ルールでテレワークは週に3回まで可能です。さまざまな制度を使うことに抵抗がない企業風土で、有給取得率は約7割となっています。
國分 私も最近子どもが生まれたので、2カ月の育児休暇を取得します。社内には仕事と育児を両立している社員が多く、ロールモデルも多数いるので、心強いですね。また、残業も、部署によって濃淡はありますが、全社平均で月11時間にとどまっています。商社というとハードワークのイメージを持つ方もいると思いますが、ワークライフバランスをしっかり考慮した働き方が実現できる環境が整ってきています。
新規事業の立ち上げや海外駐在も。広がるキャリアパス
実際、キャリア入社者は何を決め手に住商に入社しているのでしょうか?
林 ジョブ型は、前職の経験やスキルを生かしつつ、事業開発や事業投資等、事業のオーナーとしてビジネスに関与したいという方や要職のポジションで活躍したいという方、業務内容やキャリアパスに引かれたという方が多いですね。オープン型は、総合商社ならではのグローバルな舞台でチャレンジしたいという方や、若手のうちから大規模なプロジェクトに携わり世界を動かす仕事ができることに魅力を感じたという方が多いです。
また、どちらにも共通するのが「人が魅力的だった」という声。入社後のアンケートでも、住商で働く知人や面接官の人となりに引かれて入社した、という回答は事業内容の次に多くなっています。
入社後、キャリア入社者はどんな仕事に取り組んでいますか?
國分 ジョブ型だと、入社してまもなく新規事業を立ち上げたり、課長職や部長職などの要職に就いたり、目覚ましい活躍を見せる方も多くいらっしゃいます。例えば、大手自動車メーカーで20年以上働いていた方は、入社後1年足らずで通勤用EVのサブスクリプションサービスを立ち上げ、住商の子会社として法人化し、社長に就任しました。
林 オープン型でも、入社直後から海外出張に頻繁に行ったり、入社から1年で管理職に就いたり、新卒入社した同年齢の社員と劣らないぐらい期待されている方が多い印象です。「前職ではできなかった経験が積めていて、やりがいがある」という声も聞こえてきます。
キャリア入社者をサポートする研修や制度はありますか?
林 22年4月からキャリア入社者のオンボーディング施策を拡充しています。入社時研修やキャリア入社者向けの専用サイトを作成し、社内理解を深めていただくことはもちろん、懇親会や少人数での座談会の実施、サポーター制度を導入することでネットワーク構築を推進しています。また、全社員が受講できる「住商ビジネスカレッジ」というeラーニングもあるので、必要な知識を自身の都合に合わせて学んでいくことができます。
國分 社内公募制度も拡大しています。ジョブ型というと、職種固定のようなイメージがありますが、キャリア入社者も中長期的には部署異動は可能です。例えば、エネルギー関連のビジネスに携わっていた社員がベトナム・北ハノイのスマートシティ事業に異動したケースもあります。特定の領域で高い専門性を持つ方に違う領域に入っていただくことで、新たな知見やビジネスの創出につながりますよね。
また、投資先の事業会社に出向するケースでは、本社と事業会社で、転職するぐらい仕事内容が違うこともあります。同じビジネス領域の仕事に携わっていたとしても、多様な経験を積むことができるので、5年、10年とキャリアパスを考えたときに、魅力的な要素だと思います。
最後に、住商のキャリア採用を検討している方に、メッセージをお願いします。
林 住商は熱意のある人が多いというのは、ぜひお伝えしたいところです。属性を問わず生き生きと働ける環境ですので、新たなキャリアに挑戦したい方からのエントリーを心からお待ちしています!
國分 住商全体で新たな価値創造に取り組む中、多種多様な経験や発想が求められています。採用チームにもキャリア入社者がいますが、まさに「新しい風」を吹き込んでもらっています。住商での挑戦を通じて、一緒に夢を実現していきましょう!