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2025.11.20
Culture
世界中から仲間が集結。住友商事のグローバル研修「IOT」に潜入!
「Let’s celebrate mistakes!―失敗を祝福しよう!」そんな掛け声で始まった、住友商事のグローバル研修「Inter Office Training(IOT)」。世界各国から集まった29名の社員が、東京に集結。3日間にわたり異文化理解や住友商事グループの事業精神を学び合うこの研修に参加したEnriching+編集部員が、現場の様子をお届けします。
住友商事のグローバル研修とは
住友商事では、世界で通用する力を一人一人が高めるために、幅広い研修制度を整えています。例えば、若手社員向けの海外派遣プログラムから、オンラインで受講できる住商ビジネスカレッジやLinkedIn Learningまで、さまざまな学びの機会を提供しています。
このうち、海外の拠点や事業会社の社員育成をサポートするグローバル研修は階層別に英語で実施されています。世界各国の社員が東京に集まり、住友商事グループの理念や戦略、クロスカルチャーやリーダーシップといったビジネススキルを習得します。今回ご紹介する「Inter Office Training(IOT)」は、実務担当者を対象にしています。
英語でつながる3日間。でも、伝わるのは言葉だけじゃない
今回は、16カ国・地域から29名の参加者が参加しました。その多くが英語を母語としないメンバーで、初対面同士がほとんど。時差ボケや移動の疲れも相まって、最初はやや緊張した雰囲気からのスタートでした。だからこそ、ジェスチャーや表情を交えながら、ゆっくり・はっきり・わかりやすく英語を話すことが求められます。「IOTは、教室ではなく実験の場。挑戦をして、失敗して、そこから学んでいきましょう」という講師からのメッセージで、その場の空気が和らぎました。
3日間にわたる研修では、様々なワークショップが行われました。
ディスカッションしたり…
紙を積み重ねたり…
時には取っ組み合いをしたり…!
頭も身体もフルに活用して、グローバル企業で働く際につまずきやすいポイントを学び、自分自身や組織の強みや特徴を見つけていきます。数々のワークショップの中から、編集部員が特に印象に残っている3場面をご紹介します。
シンプルなはずが…全員で力を合わせる難しさ
1つ目は、「棒を下げる」というエクササイズ。全員の指が1本の棒の下部分に触れた状態で、「棒を地面まで下げる」というシンプルなルール。 ところが、「Down!――下に!」「Lower!――下げて!」参加者の叫び声もむなしく、棒はどんどん天井に向かって上がっていきます。
このエクササイズは1日目の最後に行われましたが、その日の夕食時に、「なぜあんな結果になったのか?」「どうしたらうまくいくのか?」と議論が白熱。
「身長のばらつきが原因なのではないかな」
「リーダー1名を選出して、掛け声をかけたらうまくいくのでは?」
「スタートの位置を変えてみたらいいんじゃないかな」
など、様々な意見が飛び交いました。
そして翌日、作戦会議を経て、再チャレンジすると・・・見事成功!
昨日できなかったことを成功させられたことで、一同は達成感と一体感に包まれました。
一見シンプルに見えるこのワークでさえ、複数人で同じゴールを目指すことは思った以上に難しいもの。ましてや、中長期的な目標に向かい、さまざまなステークホルダーと共にグローバルに事業展開を進めていくことの難しさはなおさらです。
一筋縄に進まなくて当然。だからこそ、あきらめずに試行錯誤を重ねることが、最終的な成功確率を高める鍵なのだと思いました。
同じインプットでも、アウトプットは十人十色
2つ目は、「Please organize and write your descriptions of your M&Ms――M&Msについて、あなたなりに整理して説明せよ」というお題。メンバーはざっくりとしたお題に戸惑いながら、ワークに取り組みました。
編集部員が参加したチームでは、「とりあえず、色ごとに分けてみよう」と作業を開始。色ごとの個数が全くばらばらであることなど、いくつかの発見はありましたが、メンバーの顔には、「このワークを通じて何が得られるのだろうか」というクエスチョンマークが浮かんでいました。
目的が見えず、目指すべき方向性がわからない中での作業は心細いもの。「本当に正しくお題を理解できているのだろうか」「他のチームはどうやっているのだろうか」と少々不安な気持ちで作業終了の制限時間を迎えました。
その後は、他のチームの作品を鑑賞することに。様々な作品を見て感じたこと、気づいたことをフィードバックするように指示を受けましたが、編集部員は心の中で「どこのチームも似たように色ごとに分類しているのだろうな」と高を括っていました。
ところが、机の上に並んでいたのは、個性が光る作品ばかり。「どうせみんな同じように色分けしているのだろうな」という予想は見事に裏切られ、「その手があったか!」と仲間の柔軟な発想に驚かされることになりました。今後本ワークに参加される方へのネタバレとならぬよう、完成品をお見せすることは叶いませんが、各チームの自由な作品を見ていると、自分が無意識のうちに、「こうするべきだ」「こういう風にするのが正解なのだろう」という、枠にはまった発想をしていたのだと思い知らされました。
このワークを通じて実感したのは、同じ条件でも、多様な視点が集まれば一人では思いつかないアイデアが生まれるということ。そして、そのアイデアの幅広さが、仕事をより面白くしてくれるのだということです。実際に、性別や民族の多様性が高い企業は、そうでない企業よりも財務パフォーマンスが優れていることが確認されているそうです。
グローバルに根付く「住友商事らしさ」
3つ目は、「より多くのお金を稼ぐためには何が必要か」というテーマでディスカッションをしていた時のこと。「法律に触れない範囲で競合と表面的に手を組み、市場を独占すればいいのでは?」という意見が飛び出しました。この提案に対して、参加者の反応は明快でした。
「その考え方もあるけれど、住友商事はやらないよね」
「パートナーとの信頼関係を何よりも重視するよね」
「”Enriching lives and the world”の理念に反することはしないよね」
参加者の口から自然に出たこれらの言葉。理念が国境を越えて浸透していること、そしてそれが価値判断の基準になっていることを強く感じました。
3日間で育まれた、世界を結ぶ絆
3日間にわたる研修を終え、参加者から様々な声が寄せられました。
「世界中に、同じ想いを持つ仲間がいることを実感できた。住友商事の一員であることを誇らしく感じた」
「グローバルの仲間たちと強固なコネクションができたことが一番の財産になった」
「出身や文化が違うから、みんな全然違うと思っていた。でも、仕事を楽しんだり、家族との時間を大切にしたり、同じ価値観や理念を分かち合っている仲間だと感じた」
「次は、それぞれの拠点でリーダーとして再会できる日が楽しみ」
最後のあいさつでは、思わず涙ぐむメンバーも。オンラインで多くのことが完結する時代だからこそ、対面で、一体感や連帯感を共有する機会は、かけがえのないものとなりました。
(コラム)オフタイムでも光る住商パーソンの底力
研修外の交流でも親睦が深まりました。研修後の夜、有志メンバーで東京観光へ。お土産探し、居酒屋での乾杯、カラオケ大会…。「日本は初めて」という参加者も多く、そんな仲間の「行ってみたい」「やってみたい」という声に応えるべく、日本人メンバーが即席で観光ルートを提案し、アテンドを担当。持ち前の「アレンジ力」が発揮されました。
仕事も遊びも全力で楽しむ――それも、住友商事らしさです。